第27話

E p i s o d e .25
830
2024/06/23 21:25
そして、今日は樹の家に向かう日

俺はなかなか寝付けなくて、何回か起きたり寝たりを繰り返してた

樹の家の近くにパーキングがあるらしいから、そこまではマネージャーが送ってくれるみたい

そこからは、歩きでゆーごが教えてくれる

そんな感じらしい
yg.
ジェシー、マネージャーが下に着いたみたいだから行くぞ?
js.
うん、行こう
樹は、俺と話してくれるのかな…

あの時、俺は何もしてあげられなかった

信じる事も何も…

かける言葉が見つからなくて、ずっと頭の中でぐるぐるしてた

それから、樹が俺らの前から消えた

しょうがない事だと思った


けど、俺ららしさっていうのが無くなった気がした

歌には樹のラップがない

バラエティとかYouTubeの撮影の時には、樹のツッコミがない

スタッフさんと打ち合わせとかしてた樹

樹が居なくなったことで、進行が遅くなった

毎回、時間過ぎて次の仕事がギリギリって事がよくある

1つの音が消えただけで、こんなにも変わるんだって


あの時、ゆーごが活動休止するって言ってくれて良かったのかもしれない

こんなの、SixTONESじゃないからね…

やっぱり、6人じゃなきゃダメなんだよ…


樹の家に着くまで、誰も喋らなくてそんな事思ってた
yg.
ここだよ
js.
…おっきいね
yg.
だよな、俺も最初はびっくりした
まぁ、その話もいつか聞けたらなって
js.
そっか…
m a n a g e r .
髙地さん…
yg.
…鳴らすよ?
ゆーごがチャイムを鳴らす

覚悟、心の準備しないと…
jr.
……はい
yg.
樹、俺、髙地だよ
jr.
…ダディ
yg.
うん、ジェシーとマネージャーもいる
jr.
…今、開けるね?
場所は…わかる?
yg.
大丈夫、ありがとう
そうして、開かれた扉

もう少しで会えるんだ、樹に…

ゆーごは2回も来てるからか、リビングまですんなり案内してくれた

そして、扉を開けるとそこには…
jr.
…久しぶり、ジェシー
マネージャーも
あの時とは違う、無表情な樹がいた

あの頃のような笑顔をもう一度みたい

そう思ったけど、でも、今は

樹に会えた事が何よりも嬉しくてッ
js.
~~ッ、じゅりッ!
jr.
うわっ
yg.
あ、おい!ジェシー
m a n a g e r .
ジェシーさん!
js.
ごめんッ、ごめんねッ、樹ッ
何も出来なくてごめんッ
jr.
ジェシー…
涙が止まらない

本当は、樹が怖がるかもしれないから抱き着くのはやめようって決めてたのに

樹を見たら消えちゃった
m a n a g e r .
樹くん…
jr.
マネージャー…ごめんね
m a n a g e r .
謝らないでください
樹くんは何も悪くありません
jr.
でも…
m a n a g e r .
私達が思ってた以上に、樹くんの心が
壊れかけてた
…ただ、それだけの事です
ゆーごや樹に慰められて少し落ち着いた頃

俺は、樹に謝った
js.
ごめんね、抱き着いちゃって…
jr.
…ビックリはしたけど、大丈夫
js.
…怖くなかった?
jr.
怖くないって言えば嘘になるよ
けど、やっぱり身体が覚えてるんだよ
js.
え…
jr.
ダディの時もそう
人を見るだけで呼吸がおかしくなっても可笑しくないのに、それがなかった
jr.
体は、覚えてるんだね
なんか、安心した気がするの
js.
樹…
俺ね、樹に言いたい事あるんだ
jr.
…うん
js.
頭の中、ぐちゃぐちゃでちゃんと
話せるかどうか分からないけど…
jr.
…うん
js.
俺の話、聞いてくれる?
jr.
…うん、いいよ
こんな風になった今も、樹は樹なんだね…

だってさ、樹の手震えてるよ?

ゆーごが見ててくれるから、何かあったら止めてくれると思うけど

…本当に、変わらない

樹の自己犠牲

でも、樹が自分より俺らの事を優先するのを分かってたのに何もしなかったのは俺ら

俺の気持ち、少しでも樹に届けば、それでいい

プリ小説オーディオドラマ