ビルに入ると、2人の男が待っていた。
自分と同じぐらいの身長が飛び込んでくると、少しよろけそうになる。
先程あった出来事を話すと、1人は血相を変えて、一人は明らかに呆れた顔をした。
元々高い声の大声で耳元で叫ばれたおかげで耳鳴りがした気がした。
かなの方は完全に呆れた表情でため息を着いた。
俺とかなの身長差があるせいなのかものすごく上から圧が掛かってくる…
苦笑いしながら言うと「次はないからね!」と蓮に言われ、少し罪悪感があった
会社の中に入り、いつもの会社の事務所がある階を通り過ぎ、上の階に行く。
この階は、ある「組織」に入っている人しか入れない場所だ。
エレベーターが着くと、廊下にはガラが悪そうなやつや、刺青が入ったやつ、ほぼ全員が男と言ってもいいほど、男でごった返していた。
1人の部下がそう叫ぶと、今まで廊下に屯っていた輩どもが一斉に列を帯びて真ん中を歩かせるように並んだ。
まるで“若頭”が帰ってきたのかのように
間違いない、ここにいる男どもは全員自分が訳ありで拾ったばかりだ。自分は総長とか若頭とかの自覚はないが、みんながそう言うから、否定がしにくくなった。
蓮は自分の取り巻きのようにいるせいか、部下からも慕われている。まぁ、それを利用して楽してるのは少し気がかりだか
部下たちが屯っていた廊下を抜けると、客間のような場所に出る。
これが俺たちの事務所的な場所だ。
革で出来た高そうなソファーに寝っ転がると、かなが背もたれに肘をついてこっちを見下ろしてきた。
蓮は目をキラキラさせてこっちを見てきたが、気持ちだけとやんわり断った。
蓮の目の前にスマホを差し出した。
スマホに映っていたのは、夕方にやり合った男どもの身元証明書などの写真だ。
俺の言葉が嬉しかったのか、先程と同じぐらいに目をキラキラさせてスマホを持ち上げ、ドアの前に立ちこっちを振り向いた
それだけ言って、部屋を去っていった。
かなもそう言って部屋を去っていった。
かなが去っていったのを確認して、俺は客間に廊下に繋がる扉ともうひとつの扉、俺の部屋に繋がる扉を開いて、入っていった。
金色の髪。水色の瞳。
そして、「月下香亂」とゆう存在。
これが全て「偽物」だったらみんなはどんな反応をするのだろうか。
俺、いや、「私」は、全ての変装を取り終わるとベットにダイブした。
ベットはこんな私の疲れた身体を冷たいシーツで包み込んだ。
物事を先延ばしにしてしまう癖は直したいと思いながら、深い眠りについて行った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。