第3話

622
2021/11/02 14:04
ビルに入ると、2人の男が待っていた。
鈴燈蓮
鈴燈蓮
あ!亂!おかえりー!
自分と同じぐらいの身長が飛び込んでくると、少しよろけそうになる。
月下香亂
月下香亂
っとと…いきなり飛びついてくる癖やめろよ〜蓮ー危ないぞ?
鈴燈蓮
鈴燈蓮
だってずっと帰ってこなかったじゃん!
月下香亂
月下香亂
うぐっ…
紅翁かな
紅翁かな
まぁまぁ落ち着けよ…でも、帰ってくるのは遅かったが何があったんだ?
月下香亂
月下香亂
あー…実は…
先程あった出来事を話すと、1人は血相を変えて、一人は明らかに呆れた顔をした。
鈴燈蓮
鈴燈蓮
ばっっっっっっっかじゃないの?!!
元々高い声の大声で耳元で叫ばれたおかげで耳鳴りがした気がした。
月下香亂
月下香亂
いや?!ちゃんと理由あるからね?!
紅翁かな
紅翁かな
はぁぁぁ…お前なぁ…?
かなの方は完全に呆れた表情でため息を着いた。
月下香亂
月下香亂
部下が他の奴らに絡まれて、しかもボロボロになった状態で見捨てることなんて出来ないだろ?
鈴燈蓮
鈴燈蓮
まぁそうだけど…
紅翁かな
紅翁かな
亂お前なぁ?そんなことがあったら一目散にこっちに連絡入れろって言ったよな?
俺とかなの身長差があるせいなのかものすごく上から圧が掛かってくる…
月下香亂
月下香亂
す、すまん…
鈴燈蓮
鈴燈蓮
まぁ、亂がそんな輩に負けるはずないからいいけど、ほんとに心配したんだからね?!
月下香亂
月下香亂
あはは…
苦笑いしながら言うと「次はないからね!」と蓮に言われ、少し罪悪感があった
















会社の中に入り、いつもの会社の事務所がある階を通り過ぎ、上の階に行く。


この階は、ある「組織」に入っている人しか入れない場所だ。
エレベーターが着くと、廊下にはガラが悪そうなやつや、刺青が入ったやつ、ほぼ全員が男と言ってもいいほど、男でごった返していた。
部下
お疲れ様です!亂さん!
1人の部下がそう叫ぶと、今まで廊下に屯っていた輩どもが一斉に列を帯びて真ん中を歩かせるように並んだ。



まるで“若頭”が帰ってきたのかのように
鈴燈蓮
鈴燈蓮
相変わらず慕われてんね〜
月下香亂
月下香亂
やめろ…恥ずかしい…
紅翁かな
紅翁かな
まぁ、ここにいるヤツらは全員亂に助けられた奴らだからな。そうなるのも無理はねぇだろな
月下香亂
月下香亂
かなまで…はぁ…
間違いない、ここにいる男どもは全員自分が訳ありで拾ったばかりだ。自分は総長とか若頭とかの自覚はないが、みんながそう言うから、否定がしにくくなった。
部下
亂さん!蓮さん!かなさん!お荷物届けますんで!こちらに!
鈴燈蓮
鈴燈蓮
おっ!じゃあお言葉に甘えて〜♪
蓮は自分の取り巻きのようにいるせいか、部下からも慕われている。まぁ、それを利用して楽してるのは少し気がかりだか
紅翁かな
紅翁かな
いや、俺は自分で持っていくよ。気持ちだけ頂戴してくね
部下
分かりました!
月下香亂
月下香亂
俺もそうしてくから、君たちはそのまま各仕事をしててくれ
部下
了解しました!














部下たちが屯っていた廊下を抜けると、客間のような場所に出る。



これが俺たちの事務所的な場所だ。
月下香亂
月下香亂
ふぅ…
紅翁かな
紅翁かな
随分お疲れだな?
革で出来た高そうなソファーに寝っ転がると、かなが背もたれに肘をついてこっちを見下ろしてきた。
月下香亂
月下香亂
まぁね、今日1日フルで動いたからなぁ…
鈴燈蓮
鈴燈蓮
それじゃあ僕が養ってあげるよ!!
蓮は目をキラキラさせてこっちを見てきたが、気持ちだけとやんわり断った。
月下香亂
月下香亂
大丈夫だ、蓮はこいつらの身元とか調べておいてくれ
蓮の目の前にスマホを差し出した。


スマホに映っていたのは、夕方にやり合った男どもの身元証明書などの写真だ。
鈴燈蓮
鈴燈蓮
あー、あの部下たちを懲らしめた輩どものこと?
月下香亂
月下香亂
まぁ、そうだ。情報担当の蓮にしか頼めないことだ。よろしく頼む
俺の言葉が嬉しかったのか、先程と同じぐらいに目をキラキラさせてスマホを持ち上げ、ドアの前に立ちこっちを振り向いた
鈴燈蓮
鈴燈蓮
リョーかいっ☆僕頑張っちゃうからねー!
それだけ言って、部屋を去っていった。
紅翁かな
紅翁かな
あははっ、切り替えの早いやつだな。
月下香亂
月下香亂
そうだね〜
紅翁かな
紅翁かな
んじゃ、俺もそろそろ行くかな。
かなもそう言って部屋を去っていった。







かなが去っていったのを確認して、俺は客間に廊下に繋がる扉ともうひとつの扉、俺の部屋に繋がる扉を開いて、入っていった。
月下香亂
月下香亂
……………もう大丈夫か。
金色の髪。水色の瞳。



そして、「月下香亂」とゆう存在。



これが全て「偽物」だったらみんなはどんな反応をするのだろうか。
(なまえ)
あなた
……はぁ
俺、いや、「私」は、全ての変装を取り終わるとベットにダイブした。


ベットはこんな私の疲れた身体を冷たいシーツで包み込んだ。
(なまえ)
あなた
疲れた……「例」の仕事は明日にしよっと…
物事を先延ばしにしてしまう癖は直したいと思いながら、深い眠りについて行った。































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