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第71話

だい。ごじゅうさんわ
「出会いには必ず別れがある」
こんな言葉これっぽっちも信じていなかったのに。彼らとの別れは突然あった。
ツリメ
ツリメ
ね〜!あなた!
ムギュッと私の体に腕を回し抱きついてくるツリメ。
私は慣れた口で彼に答える。
あなた

どうしました?

ツリメ
ツリメ
う〜んと……ちょっとね…。
顔は見えないけれど、なんとなく事情がありそうだと感じた。
あなた

私にできることなら……なんでもしますよ?

ツリメ
ツリメ
え?
何か困っていると思ったのに、彼の言葉の妙な明るさに変に鼻についたが気のせいか。
あなた

……だって…。困っているみたいだから。

ツリメ
ツリメ
……あ、そうか!
あなた

(……ん?「そうか!」……?)

私はう〜んと首をかしげる。どうも、いつもとは何かが違うみたい。
あなた

ツリメさん……?何か?

ツリメ
ツリメ
ううん。なんでもないよ!
また妙に明るくする。何かおかしいよね。
いつもの彼とは全く違う。まるで、「彼」が「彼」ではないみたいだ。
ツリメ
ツリメ
あのね〜…困っているわけじゃないんだけど…。
あなた

え?……では…何を?

ツリメ
ツリメ
俺ね…パン屋さんに行こうと思ってさ。あなたもどうかなぁ〜って。
あなた

パン屋…さんですか?

ツリメ
ツリメ
うん。どう?
あなた

(ツリメさんがパン屋さんに行くなんて…!?…どういうこと…?)

私が無駄に考えすぎてるだけなのか……それとも本当に彼はおかしいのか…。
私が返事に渋っていると、彼は駄々をこね始めた。
ツリメ
ツリメ
行こ〜よ!ね!行こ〜よ…!
最後の言葉の強さに体が反応して、ビクッと動く。
普段の彼の言葉の明るさとは全く違かったからだ。
あなた

(ツリメさんが……怖い。)

いつの間に書かれに恐怖を抱くようになっていた。私が怖いと感じていても彼は御構い無し。
ツリメ
ツリメ
ね!行こ!
彼のおかしさに私はある一つの事実にたどり着いた。
あなた

(もしかして……お父様の指図…!?)

あの人だったら自分の言うことが聞けない人間は切り捨て、自分の「モノ」にはとてつもない執着心の持ち主だ。
私がここにいるのだって知っている……。影山もそうだ。
あの人は手段を選ばない。私を取り戻すためには……。
あなた

(みんなを……巻き込みたくない)

そう決心した私は彼にこう告げた。
あなた

はい。行きましょう。

ツリメ
ツリメ
え!本当!?やったぁ〜!
彼はとても喜んだ声を出したが、表情は違うのだろう。
私は、はぁ……と静かにため息を漏らす。
あなた

(逃走劇は終わり……ってことね…)

帰ったらお父様から罰を受けるだろう。影山から怒られるだろう。
でも、彼らと過ごした日々はとても楽しかった。人生で1番。
もう……私には……悔いはないよ。
ツリメ
ツリメ
ほら!行こう!手を出して!
彼の言う通りに私は手を伸ばす。すぐに、彼は私の手を握り立たせる。
ツリメ
ツリメ
行くよっ!
あなた

はい。お願いします。

彼は私に歩くスピードを合わせて歩く。
あなた

(心だけは…優しいのね…)

ふっと我ながらよくここまで逃げたと笑みをこぼす。
すると、ばったり、りょうに会ったみたい。
りょう
りょう
あれ?どこ行くの?
あなた

美味しいパン屋さんがあるらしくて。

ツリメ
ツリメ
そう!美味しいよ!
彼は私に便乗してりょうに伝える。
りょう
りょう
そっかぁ〜……俺も食べたいな…。
ツリメ
ツリメ
じゃあ!買ってくるよ!俺セレクトで!
りょうが行きたそうだったのを彼は言葉で封じた。
やっぱり……おかしいよ。
りょう
りょう
そう?……じゃあ…頼むわ。
ツリメ
ツリメ
は〜い!じゃ!あなた行こ!
あなた

は、はい。

私は素直に彼について行けばよかったのに。そうすれば彼らに何も危害を加えなかったのに。
私はどうしても、お父様に抗ってみたくなったのかも。あの家から出ないければこんなこと思わなかった。
私はりょうの服をそっと引っ張った。
りょう
りょう
え…?
あなた

りょう。

あなた

頼むよ。

私はこれだけ伝えると、自分なりの笑顔を彼に見せその家を出た。
りょう
りょう
あなた……?
りょう
りょう
一体何が……。
「りょうなら気づいてくれる」そう信じてーーーーーーーーーーーーー。