私が熱を出した次の日。
影山たちの必死の看病のおかげで、熱が下がっていた。
私は目覚めた。体は昨日より軽くなっていた。
ギュッと手を握りしめられるのを感じた。
影山はふと、私の異変に気付いた。
私がお茶を濁す発言をすると、影山はそうかと言うふうにこう言った。
私は、キョロキョロと何かを探す。
私は影山を探すに夢中でベッドから落ちてしまった。
と私は床をペタペタと手探りで探し始める。
影山は私の目の前に他の執事を立たせると、こう言った。
私は影山に抱きついたつもりだった。
私は影山にバレてしまった。
私は高熱で目が見えなくなっていた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!