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第22話

監督生です。栗拾いに行きます。
401
2022/04/28 11:16
チャイムの音が鳴り響き、生徒達はわいわいと雑談をしながら教室を去っていく。
エース
エース
おーい、あなた!今度は逃げんなよ?
デュース
デュース
朝は僕達散々な目に遭ったんだからな?
そしてその人混みをかきわけて、エースとデュースがあなたの方へやってきた。
あなたはそれを見て読んでいた本をパタンと閉じると荷物を持って立ち上がる。
(なまえ)
あなた
分かってますって。ほらグリムも行きますよ?
グリム
グリム
んにゃ…ツナ缶いっぱいなんだゾ…。
エース
エース
…いや寝てんじゃん。
(なまえ)
あなた
適当に引きずっていけば大丈夫ですよ。
これからの事なんて全く考えていないような幸せそうな顔で眠るグリムの首根っこをあなたは掴むと持ち上げる。
うわぁ…とエースとデュースが頬を引きつらせるのを見て見ぬふりして行こうとしたら、首輪を掴まれ苦しかったのかグリムが目を覚ました。
グリム
グリム
ふなっ!?ちょっ、あなた!苦しいんだゾ!
(なまえ)
あなた
あっ、起きました?なら自分の足で歩いてください。
グリム
グリム
何か冷たいんだゾ…。
エース
エース
とっ、とりあえず行こうぜ!な?
エースは流石にこれ以上はグリムが可哀想だと思い、そう言い皆を引き連れて教室から出た。
(なまえ)
あなた
…ところで、タルトを持って来いって言われたんですよね?それはどうするんですか?
あなたがそう問えば、エースはグッと親指を立て言う。
エース
エース
大丈夫!トレイ先輩ってめっちゃ親切な先輩が一緒に作ってくれるってさ!
エース
エース
だからあなたも手伝ってな!栗拾い!
(なまえ)
あなた
…僕、肉体労働は専門外なんですが…?
デュース
デュース
じゃあ逆に何が専門なんだ?
(なまえ)
あなた
…頭を使う活動とかですかね…?
魔法、とは言えなかったのでそう適当に濁しておく。
幸いデュースはそうか、と特に追及してこなかったので正直助かった。
グリム
グリム
さぁ、植物園にレッツゴー!なんだゾ!





────────────────────




そして植物園裏の森にて。
グリム
グリム
おわー!本当にたくさんの栗が落ちているんだゾ。これだけあればマロンタルト食べ放題……ぐへへ。
グリム
グリム
早速拾って……あいでっ!
グリム
グリム
ふな゛ー!!栗の棘が肉球に刺さったんだゾ!
(なまえ)
あなた
いやどう考えてもそれを素手で拾うのは無理でしょう…。
デュース
デュース
そうだな。それに、拾った物を入れるカゴかバケツも欲しい。
エース
エース
植物園の中にどっちもありそうじゃね?
デュース
デュース
行ってみるか。
という事で、3人と1匹はまずは装備を整えようと植物園に向かった。
(なまえ)
あなた
(…何で始めから植物園に行かなかったんですかね僕達…。)





────────────────────




そして植物園の中でも暖かい温帯ゾーンに来た3人と1匹はその広さにびっくりしていた。
エース
エース
うわー、思ったより中広い。
(なまえ)
あなた
ですね…。植物の種類も色々ありますし…。
デュース
デュース
これだけ広いと管理してる奴がいるはずだな。手分けして探してみるか。
エース
エース
んじゃ、右に行く。
デュース
デュース
俺は左に。
(なまえ)
あなた
なら僕達は真っ直ぐ奥に行ってみますね。
そう決めると、3人と1匹はそれぞれ別の方向へ進んでいった。
あなたは見た事のない植物達をきょろきょろと見回しながら奥へと進んでいく。
(なまえ)
あなた
すごいですね…。この木とか何mあるんですか…?
グリム
グリム
なあなあ、こっち来てみろよ!
グリム
グリム
なんかフルーツがたくさんなってる!良い匂いなんだゾ~!
(なまえ)
あなた
あっ食べちゃダメですよ?それとそこの紫色のヤツは多分毒ありますよ。念のため触らないようにしてください。
すーっと手もとい前足を伸ばすグリムにあなたはそう注意する。
グリムはそれを聞き、ビクッと前足を引っ込めた。
(なまえ)
あなた
(まぁ毒性に関しては憶測ですけど。食べたら、いやせめて触ったら分かるんですけどね…。)
フルーツを食べられなくてガッカリしているグリムを連れながら歩いていたら、ふいにあなたの足が地面とは違った感触を捉えた。
(なまえ)
あなた
(…?)
????
──いって!
(なまえ)
あなた
(…気のせいですねきっとそうですねよし行きましょう)
何か声が聞こえたような気がした、いや、明らかに聞こえたのだがあなたは嫌な予感しかしなかったのでそのまま通り過ぎようとした。
しかしもちろんそのまま素通り、といくわけがなく。
????
──おい。人の尻尾踏んでおいて素通りとはいい度胸だな。
(なまえ)
あなた
(耳と尻尾が…。確か獣人属って言うんでしたっけ?こういう人。)
(なまえ)
あなた
(それとこのベストの色はサバナクロー寮の物…。外見的に3年生ですかね?もう少し年上に見えるんですがね…。)
グリム
グリム
アンタここの管理人さん?それにしては柄が悪いような………
あなたはそう冷静に相手を観察しどう出るか考えていたのに、その計画をグリムがぶち壊す。
明らかに初対面の相手に言ってはいけないような言葉をぶつけられ、獣人の彼は眉を寄せる。
????
こちとら気分よく昼寝してたとこだってのに思いっきり尻尾踏みやがって。最悪だ。
(なまえ)
あなた
(いや…。通り道に尻尾を出しておく方が悪いんじゃないんですか…?昼寝場所を考えましょうよ…。)
まぁ最も、あなたが心の中で言っている事も初対面の相手に言っていい事ではないのだが。
????
お前……あァ、入学式で鏡に魔法が使えねぇって言われてた草食動物か。ふぅん……。
彼は視線をグリムからあなたに移すと、値踏みするようにあなたを観察する。
(なまえ)
あなた
…何ですか?
自分も散々やっているくせに不快そうに顔をしかめ、あなたは2歩3歩と彼から距離を取る。
そんなあなたを興味深そうに獣人は見ると、立ち上がってあなたに近づき顔を寄せる。
(なまえ)
あなた
っ!
それに危機感を覚え、あなたはバッと彼から距離を取る。
その素早い動きを見て彼はふぅん、と笑う。
????
草食動物にしては中々すばしっこいじゃねぇか。
????
無抵抗の相手を痛めつけるのは気がすすまねぇと思ってたんだが…これだけすばしっこければちょっとぐらいいいよなァ?
そう睨まれ、あなたは身構えグリムはブルッと震える。
グリム
グリム
うっ、なんだかわからねぇけど、コイツに睨まれると背中の毛がゾワゾワするんだゾ!
????
このレオナ様の尻尾を踏んでおいてなんにもナシってそりゃねぇだろ?
????
気持ちよく寝てた所を起こされて機嫌が悪いんだ。歯の1本も置いてけよ。
獣人の青年──確かレオナ様、と自分の事を言っていたか──はそう言い構える事なくごく自然な流れで拳を振り上げる。
グリム
グリム
ふなっ!?殴られる…っ!
(なまえ)
あなた
(あれっ、結構喧嘩慣れしている人でしたか…。まぁここは適当に…。)
グリムは怯えたようにギュッと目を閉じ耳を伏せるけれど、あなたは特に動じず左手ですっとレオナの拳を受け流す。
そしてそのままいつもの癖で・・・・・・レオナの右腕に手を添え肩を支点に彼の身体を投げようとし…
(なまえ)
あなた
…あっ。
ギリギリの所で止まった。
(なまえ)
あなた
(…どうしましょう…。先輩相手に…。)
(なまえ)
あなた
(未遂ですけど…大分失礼なのでは…っ。)
顔をサァッと青ざめさせ固まってしまったあなたにレオナが声をかけるより早く、別の人物の声が飛んできた。
????
レオナさーん!



*      *      *


どうも、切り所が分からなさすぎました、カイです()
そう本当に話をどこで切れば良いのか分かんないんですよね…。それで毎回のように2,3000文字いくという…()
まぁでも長い方が皆さんも嬉しいですよね、うん(目逸らし)
明日からゴールデンウィークですね!皆さん楽しんでください👍俺もギターの練sy(((じゃなくてこの作品の更新頑張ります!
ではまたっ。バイバイッ。

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