第35話

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2,014
2020/11/05 13:38
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それは突然に起こってしまった。




今日もいつものように8時近くまで残業で、
オフィスに残っているのも私だけ。
いつものように仕事を片付けて、
帰る支度をして。
偶然居合わせる正門と一緒に途中まで歩いて帰る。

正門はここ最近急激に太ったらしく、
ダイエットの為に歩いてきてるんだとか。

正門といつも別れる1つ前の交差点でそれは起こった。


急に目に車のライトが飛び込んできたかと思えば
ふわっと軽くなる体。誰かの鋭い声。
紛れて聞こえる正門らしき声。
あまりに沢山の事が一気に起きて
頭が混乱しているうちに、私は意識を手放した。


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今日もあなたちゃんは遅い。
それはお仕事を頑張ってるから。
分かってるんやけど…
やっぱり一人で家にいるのは寂しい。
テレビの音と時計の秒針の音が交互に聞こえるだけ。

よし!今日こそあなたちゃんを迎えに行こう!
あなたちゃんが帰ったら、次何色に髪の毛染めるか
一緒に考えてもらうんや!!

1歩家の外に出ると、騒がしくパトカーと救急車が
道路を走り抜ける。
なんかあったんやろか、事故かな。
なんて他人事と思ってると、見覚えのある黒髪短髪。
落ち着かない様子で救急車に乗り込もうとしている。
急に犬の嗅覚が何かを察知した。

考えるよりも先に体は正門の元へ動く。
人混みの中を掻き分け、そんなはずはないと
頼むからあなたちゃんじゃないように。
それだけを願って。

でも予想は的中した。

末「 正門っ… ! 」

正「 どうして僕の名前… 」

末「 そんな事は今どうだっていい、
何があったか教えろ …っ 」

全速力で走って上がった息を宥めながら、
正門に問いかける。

正「 まずあなたを病院に送らないと 」

末「 俺も行く 」

救急車に半場無理やり乗り込んだ。






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