第32話

🌑
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2020/08/21 22:47




『 なんでそんなん思うん? 』

誠也くんは、んー、と考えてから

「 男の勘ってやつ? 」

『 それ答えになってへん 』

正門が私のことを好き?
まさかね、今まで何年も一緒に居って
そんな風に思った事は1回もなかった。

「 気ぃつけてな? 」

『 そんなん誠也くんの考えすぎやって 』

私と正門はそんな関係では無い。
確かに幼馴染だし、発展しないかと言われたら
1番発展するポジションなのかもしれないが、
今までずっと幼馴染、友達としてやってきた。
もし仮に発展するのであれば、もっと早く
展開していたはず。

まあまず、正門が私の事を好きになるなんて
有り得ない。
だってこの前聞いた時好きな人おる言うてたし。

「 そうなんやろかあ 」

『 そうだよ、誠也くん正門嫌いやん笑 』

「 当たり前やん、実質俺よりあなたちゃんの
こと沢山知ってんねんもん 」

『 なにそれ笑 』

「 とにかく正門には疑いがあるから、
ほんま俺だけ見てて欲しいねんけど 」

『 もうとっくに誠也くんしか見えてへんで? 』

「 んぇ、ほんまに!? 」

子犬、、笑

『 ほんまほんま、
正門、好きな人おる言うてたし、心配せんでも
大丈夫やで? 』

「 え、正門が言うてたん? 」

『 うん、前ね 』

いつの間にか家の前。

『 鍵、鍵… 』

鍵が鞄の底の方に落ちてしまい、中々取り出せない

「 どうしたん? 」

『 鍵が…底に… 』

やっとの事で鍵を取りだしたと思った途端、

正「 あなた? 」

…え?

『 …正門? 』

正「 これ、スマホ置いてったから… 」

『 ああ、ごめん、ありがとっ 』

謎の気まずさの空気が流れたあと、
ども、っと誠也くんが会釈した。

正「 初めまして、」

初めましてではないけどな、と内心で思いつつも

『 わざわざありがとね 』

正「 あ、いや、全然。」

そのあとも正門はなんか喋りたそうにしていたが
じゃ、また明日とすぐ行ってしまった。




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