第5話

NICHOLAS・YUMA
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2026/01/11 12:54 更新
リクエスト

女の子の日


目は覚めていた。
ただ、身体が重苦しくて、
起き上がるのが億劫だった。

「あなた、起きてる?」
「起きてる」

もぞもぞと粘っているとYUMAの姿が見えた。
心配されたくない。
元気なふりをしてベッドから降りると、
一瞬、地面が遠くなった。

「ちょ、あぶな…」

YUMAの腕と壁のおかげで倒れることは無かった。

「ごめん、大丈夫」
「嘘つくな。顔真っ白やん」
「大丈夫。熱とかじゃないし。」

自分からは言いづらくて、誤魔化すしかなかった。

「…ちょっと待ってろ」

「あなた」

YUMAが部屋を出たと思えば、
入れ替わるようにNICHOLASが入ってくる。

「ニコラスくん、どうしたの」
「あなた、痛いかなと思って」
「あなた、身体あったかくせんとまた倒れるで」

戻ってきたYUMAは両手に色んなものを抱えていて
2人共、言わなくてもあなたの状況は分かっていた。

「ごめん、熱でもなんでもないのに」
「辛いなら無理しなくていい」
「ニコラスの言う通りやで。今日は甘える日や。」

「あなた、お腹触っていい?」
「うん、」

NICHOLASの手が当てられた部分からじんわり温かさが広がった。

それが心地よくて、少しずつ瞼が落ちていった。



「…ん、」
「お、起きた。」

YUMAは弄っていたスマホから目線をこちらに移した。
ベッドに頭を乗せて寝ていたNICHOLASもゆっくりと目を開けた。

「あなた、まだ痛い?」

2人の優しさに胸の奥がきゅっと詰まった。

「ごめん、今日何も出来なかった、」
「自分のこと守れたやろ。今日はそれで十分。」
「でも、みんなに迷惑かけた…」
「みんなそんなこと思ってない。」
「ほら、確認しにリビング行くで」

2人に腕を引かれてリビングに行くと、
7人が一斉に同じようにあなたの方を向いた。

「今日、ごめんね」

「何で謝るの?」
「休むのは悪いことじゃないよ」
「しんどいの、言えただけで十分。」

「あなた、分かったでしょ?」

目線を合わせたNICHOLASが顔を覗き込んでくる。

「…うん」

勝手に溢れた涙の感情はよく分からなかった。

「もー、泣くな〜」
軽く頬を引っ張ってくるKの顔は優しかった。

「今日はあなたのこと絶対一人にしないから」
NICHOLASの言葉は心細さを消してくれた。

「あなたの場所ここ。早くこっち来い」
隣のスペースを軽く叩いているYUMAのもとに座った。

そこは不思議と安心できる場所だった。


10人でリビングに集まる。
10個の小さな音は
チームとして1つの音になっている気がした。

その空間は優しさで溢れていた。

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