大声で泣き出した私の背中をさすり、涙を指で拭きながら壬氏様は言う
好……き……?
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人から当たり前のように話しかけられたのは初めてだった
一目で、好きになった
周りから避けられている俺に唯一話しかけてくれたのはあなただった
でも、その後知った。
彼女はその時の皇帝の上級妃の1人だと
好きになって欲しかった
諦めたくなかった
ひたすら話しかけた
宮まで何度も通った
でも、別れは突然でー
そういったきり、彼女は走って帰っていった
彼女が俺を庇ったと知ったのは10歳を過ぎた頃だった
俺と頻繁に会っていた彼女は浮気の罪で疑われていたらしい
それでも、俺をあえて突き放して助けてくれた
それから、彼女は実家へと帰った
彼女の姉、現在の里樹妃も1度出家した
そして、今帝の妃、里樹妃の姉として後宮に滞在し始めた
彼女だと、すぐ分かった
話しかけたかった
それでも聞こえてきたのは「男は嫌い」というワード
少し、汚い手を使った
帝にお願いして政略結婚という形を強制した
もう、なにがあっても離したくなかった
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それと同時にリップ音が響く
あの時の思いが溢れてくる
全て封印したはずの記憶が、全て
また微かに、リップ音が響いた














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!