第13話

初恋
2,993
2024/03/06 22:00 更新
大声で泣き出した私の背中をさすり、涙を指で拭きながら壬氏様は言う
華瑞月
華瑞月
ずっと、好きだった
好……き……?
華瑞月
華瑞月
あの日、俺にしゃべりかけてくれた日からずっと恋してた



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幼い私
大丈夫?
他の人
例の方よ
他の人
武術だって人並みにしか出来ないらしいわ
他の人
顔だけが良くてもねぇ
幼い壬氏
え……?
幼い私
すっごい辛そうな顔してる
人から当たり前のように話しかけられたのは初めてだった
一目で、好きになった
周りから避けられている俺に唯一話しかけてくれたのはあなただった
でも、その後知った。
彼女はその時の皇帝の上級妃の1人だと
好きになって欲しかった
諦めたくなかった
ひたすら話しかけた
宮まで何度も通った




でも、別れは突然でー
幼い私
もう来ないで
幼い壬氏
えっ……な、なんで、?
幼い私
どうもこうもないわ
幼い私
ここにいられても邪魔なだけなのよ
そういったきり、彼女は走って帰っていった
彼女が俺を庇ったと知ったのは10歳を過ぎた頃だった
俺と頻繁に会っていた彼女は浮気の罪で疑われていたらしい
それでも、俺をあえて突き放して助けてくれた
それから、彼女は実家へと帰った
彼女の姉、現在の里樹妃も1度出家した




そして、今帝の妃、里樹妃の姉として後宮に滞在し始めた
彼女だと、すぐ分かった
話しかけたかった
それでも聞こえてきたのは「男は嫌い」というワード
少し、汚い手を使った
帝にお願いして政略結婚という形を強制した
もう、なにがあっても離したくなかった
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華瑞月
華瑞月
我儘かもしれない
華瑞月
華瑞月
だけど、誰よりも好きだ
華瑞月
華瑞月
愛してる
それと同時にリップ音が響く
(なまえ)
あなた
瑞月様があの時の男の子なんて信じられないし、びっくりしてる
(なまえ)
あなた
ぁけど、私も瑞月様が好きで、大好きで、愛しています……!
あの時の思いが溢れてくる
全て封印したはずの記憶が、全て



また微かに、リップ音が響いた

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