3日ほど経った
その侍女は当たり前のようにここまでやってくる
ご飯と水はくれるからありがたいのかもしれない
私の身体中は痣と血で染まっていた
今から、私は殺されるらしい
でも何故か、私はそこまで動揺していなかった
家族がもう一度姉を帝の妃にすると聞いた日から、ずっと男はクズだって思ってきた
そう思わないと、辛くて叫び出しそうだった
初恋も、全て封印して忘れようとした。
相手だって、もう忘れてるんだろう
裏切られるくらいだったらそもそも信じなければいい
そう思って生きた
そうか、私は信じて裏切られるのが怖いんだ
ナイフが心臓へ向かってくる
静かに目を閉じたその時、体がくるんと回る
縄はなぜか既に解かれ、瑞月様に抱えられた状態になる
恥ずかしがるのもつかの間、次にナイフは瑞月様へと向かう
瑞月様はそれを跳ね除け、私をそっと地面に下ろした
まっすぐ見つめると、壬氏様と目線が重なり合う
恥ずかしくなり目を背けそうとすると顎を掴まれ無理やり目線を合わせられた
そして、2秒ほど見つめたあと、体は瑞月様の胸の中に収まった
私は大粒の涙を零して泣いた














編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!