第15話

手紙と邂逅
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2026/03/29 07:00 更新
えっと、みなさんこんにちは。
ルティルスです。誰に向かって言っているのかは分かりませんが、とりあえずはいいのかな……?



ボクはバビルスに通い始めてから毎日やっていることを1限のチャイムと共に開始します。

今いるのは職員室の奥の方です。いつもここで授業の予習や復習、小テストなどを解いています。小テストがなかったり予習などが終わって暇になったときは清掃員さんたちの手伝いをしていたりもします。そのときはちゃんと誰かに言ってから手伝いに行っているので帰ったら、魔茶やお菓子があったりもします。

っとと、話が逸れてしまいました。

そんな毎日を送っていたのですが、この前あった師団披露バトラパーティーから少し変わったことがあります。
それは──────────
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
ルティルスくん、また来てるよ。
読む?
ルティルス
ルティルス
・・・・・・・・・((-ω-。)(。-ω-))フルフル
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
分かった。ごめんね、勉強中に。
イフリート・ジン・エイト
イフリート・ジン・エイト
・・・・・・・・・・・よく飽きないね、イルマくんたち。毎日毎日時間があると手紙を渡しに来て。



そう。問題児アブノーマルクラスの人たちが時間が空けば毎時間の授業終わりに必ず手紙を渡しにくるんです。1番最初は問題児アブノーマルクラスの全員できていたけど、カルエゴ先生に追い出されてからは毎時間違う人が職員室に手紙を届けにくるようになった。受け取らずに追い返すのは申し訳ないけど、読むのも怖いし、返事を書くのも無理だ。

ボクは先生たち相手なら手紙だろうがなんだろうが返事はできる。けれどどうしても知らない人が相手では怖さが勝ってしまう。ロイたちもボクに合わせてか、魔インで連絡をとってくるし。ただ、魔インでのやり取りを見せること自体には同意しているから、クラスの人も見ていると思う。時々元気な女の子が来るけど、いつも先生たちに止められている。

イフリート・ジン・エイト
イフリート・ジン・エイト
・・・・・・・・・・・申し訳ない?


ボクの様子を見ていたエイトさんが声をかけてくれる。心配そうな声で心配そうな目で聞かれた。
ルティルス
ルティルス
・・・・・・・・・

「うん。お返事も、読んでもないのに返すのは申し訳ない」


正直に紙に書いて答えたボクにエイトさんは苦笑した。どうしようもないって分かってはいるけど、開くのはどうしても怖い。何かトラウマがあるわけじゃない。ただただ怖い。他人が怖い。知らない人が怖い。今までろくな人に会ったことがなかったから、それも相まっているのだろうとこの前ツムさんに言われた。

ロイとローラが手紙を持ってきたことは今までない。彼らは魔インで繋がっているから。今日あった事、誰が職員室に行ったかなどの報告。ボクはそれに既読をつけるだけ。返信は特にしない。ロイたちもそれでいいと言ってくれた。先生にたちにボクはある意味の依存をしているのではないかと最近になって思いはじめている。





ロイとローラが手紙をくれたら、何か違うのかもしれない。
そんなことを考えながら、エイトさんと一緒に勉強をしていると、授業終わりのチャイムが鳴り響く。それと同時に、ロイから連絡が入った。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



〈 ロイ
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
今から手紙を届けにいく。クラスの奴らも痺れ切らしたみたいで、受け取ってくれるまで職員室に居座るつもりらしい。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
手紙書いたのは俺だから、直接渡していい?
ルティルス
ルティルス
分かった
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


痺れを切らした、か。まぁ、いつかは来ると思っていたから特に驚きはしないが、まさかロイが手紙を書くとは思っていなかった。



連絡をもらってから数分。職員室の扉がノックされた。いつも通りダリさんたちが声をかけ、入室を許可する。何日も続いているので流石にダリさんにも呆れの色があるらしい。


ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
ルティルスくん?なら手紙を預かるけど───
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
いや、いい。自分で渡す。ルティルスからの許可もあるし。
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
・・・・・・・・・分かった。あまり刺激しないでね。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
そのつもりだ。奥の方にいるのか?
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
うん。スージー先生が途中にいるから。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
了解。


職員室の入り口付近で話しているのだろう。ボクはもともと五感がいいから、話している内容が聞こえる。だんだんと足音が大きくなっていく。ロイが近づいているのだろう。それ自体は問題ないし、別に構わない。けど────
ウァラク・クララ
ウァラク・クララ
私もいきたいーー!!ロイだけずるい!!
入間
入間
ク、クララ。しょうがないよ、大人しく待と?
アスモデウス・アリス
アスモデウス・アリス
そうだぞ、ウァラク!!イルマ様を困らせるな、このアホ!!


向こうで何か話している。ここまで聞こえるものなの?あと女の子、元気だなぁ……。

アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
ルティルス。


少し入り口の方の会話に気を取られすぎていたらしい。いつの間にかロイが立っていた。

無言で腕を伸ばしたかと思うと、四角い長方形のものがこちらに向かって垂れ下がっている。手紙だ。読め、ということだろう。
大人しく腕を伸ばし、手紙を受け取る。ロイの目の前で開封し、中の文章を読んでいく。どうやら寄せ書きのように書いているらしい。文字や言葉で大体の性格がわかってしまうのも少し面白かった。

読み終わった合図として顔をロイに向けると、ロイが口を開きこう言った。

アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
───話がしたい。教師を連れてきても構わないから、校舎裏に明日の昼、来てくれないか?無理強いはしない。無理なら無理と言ってくれ。


・・・・・・・・・・・・・・・・クラスのみんなに会わせたいのかな。先生たちもやろうとしていたようだけど、結局、実行に移されることはなかった。ボクが嫌がるのが目に見えていたのだろう。もちろん嫌。そこまでするほど親しいわけでもないし、いく理由もない。クラスの人たちを知らなくてもボクは平気だから。

けど────
イフリート・ジン・エイト
イフリート・ジン・エイト
✨(´。✪ω✪。 ` )✨


・・・・・・・・・・少なくとも、エイトさんは行って欲しいみたい。そんな切望するような目を向けないでよ……。

ルティルス
ルティルス
・・・・・・・・・マーさんと、エイトさんがついて来るならいいよ。


最大限の譲歩だよ。ボクにしては行くってだけでもすごいことなんだからね!!!

そう返答を返したら、エイトさんは緩慢に首を縦に振った。後からマーさんにもそのことを言ったら、了承してくれたため、2人を連れていくことにした。
翌日のお昼休み────

指定された場所へマーさんたちと行くと、問題児アブノーマルクラスの人が勢揃いしていた。

背が高くて怯んでしまう………。


ちなみに余談だが、ボクはいつもぬいぐるみを抱き抱えている。勉強するときやご飯のときはさすがに抱えていないけど、これは先生たちが教師寮に来て1年目の誕生日の日に買ってくれたぬいぐるみだ。生地は白色で首のとこは緑のリボンがついている、ボクのお気に入り。他にもいろいろあるけれど、持ち歩いているのはこの子だけ。教師寮にある自分の部屋に行ったら、猫さんとか鳥さんとかいろいろいる。この子の名前はホワイト。

っとと、今はそれどころじゃない。
画像:NatLil

名:ホワイト
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
おーい。来たよ〜〜。


マーさんの間延びした声に顔を上げたのは全員だった。

ちなみにボクは身長が低いので、マーさんの影になって姿もあまり見えない。

入間
入間
先生!!
ありがとうございます、来てくれて。
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
ううん、全然!!!


特待生さんの言葉にマーさんが返事をする。

特待生さんはベンチに座っていて、その周りをクラスの人で遠巻きに囲ってる感じ。遠巻きだとしても怖い……。
入間
入間
えっと、ベンチに座って欲しくて……。
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
あぁ、そうだよね!!
ほらルティルスくん。ベンチに座ろう?

マーさんが振り返ってベンチを指差す。けどマーさん。ボクには無理だよ?実質はじめましての人が多い中で1人でベンチに座るなんてことできないよ。
せめてマーさんかエイトさんの膝の上じゃなきゃ……。

マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
・・・・・・・う〜ん。やっぱり難しいか……。
なら、そばに立っとくから座ってごらん?


マーさんが代替案を提案してくれた。本当なら先に座って欲しかったけど、マーさんとエイトさんもここに来る前にダリさんから何か言われていたようだし、それくらいは我慢しなきゃ………。

ルティルス
ルティルス
・・・・・・・・・_( ˙꒳​˙ _ )ストン
ギュッ(エイトの手を握る)
イフリート・ジン・エイト
イフリート・ジン・エイト
!?ルティくん……?

これは許してほしい。手を握ってない方(ホワイトを抱きしめている方の手)は怖さからか、少し震えてしまっている。エイトさんもそれが目に入ってのか、何も言わずに少しベンチの方によって手を握り返してくれた。

特待生さんたちは少し驚いたようだけど、ローラの声にみんなが我に返った。

アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
ルティと話すんじゃないの?
入間
入間
あっ、そ、そうだった。
えっと、僕はイルマ。よろしくね。(* 'ᵕ' )ニコ

ホワイトを抱きしめる手に力を込めて会釈を返す。ピンク髪の人は眉を顰めたけれど、この間の金髪さんたちが宥めていた。

アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
ルティ、問題児アブノーマルクラスを紹介するね。
ピンク髪がアスモデウス・アリス。
アスモデウス・アリス
アスモデウス・アリス
アスモデウス・アリスだ。イルマ様に不敬なことをしたら許さんからな!!
ルティルス
ルティルス
Σ(OωO )ビクッ
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
・・・・・・・・・・あまり怖がらせないでくれるかな。この子、結構頑張ってここに来てるから。

首席さんの大きな声に肩が跳ねてしまった。喉が引き攣ってしまって呼吸が一瞬できなくなる。マーさんがいつも通りの声で首席さんに注意をするけど、怒っているのだろう。少し語気が強いような気がする。軽い過呼吸になってしまったが、エイトさんが背中をさすって大丈夫だよと声をかけてくれたので、少ししたら落ち着いた。

そのタイミングを見て、ローラが口を開く。
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
アリス、大きな声出さないでって言ったよね?💢
ごめんね、ルティ。ちゃんと言っとくから。

首席さんには地を這うような低い声で。ボクにはいつも通りの声で話しかけてくる。
首席さんは「悪かった」と謝ってくれたので、首を横に振ることで許した。
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
もうちゃっちゃと終わらそう。
サブノック・サブロー。
サブノック・サブロー
サブノック・サブロー
うぬは魔王となるもの!!
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
アロケル・シュナイダー。
アロケル・シュナイダー
アロケル・シュナイダー
よろしく。
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
ガープ・ゴエモン。
ガープ・ゴエモン
ガープ・ゴエモン
よろしくでござる。飴は好きでござるか?

好きだけど、受け取りたくない。知らない人だし。
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
受け取ってもらえないと思うよ。警戒心強いから。
アンドロ・M・ジャズ。
アンドロ・M・ジャズ
アンドロ・M・ジャズ
よろしく〜〜。(*>∀<)ノ))
ダリ先生んとこの師団バトラ入ったんだけど、知ってる?
ルティルス
ルティルス
((-ω-。)(。-ω-))フルフル
・・・・・・スッ(ジャズに手を伸ばす)
アンドロ・M・ジャズ
アンドロ・M・ジャズ

「お財布、返して。先生の」

エイトさんとマーさんの隙を見て彼は先生たちのお財布を盗った。ダリさんから彼の家系能力のことを聞いていて良かった。

文字に書いて見せると、黒髪さんは驚いたように目を見開いて、苦笑に変わった。
アンドロ・M・ジャズ
アンドロ・M・ジャズ
バレてたのか。悪い悪い。

マーさんに2人分のお財布を渡して一歩下がった彼。ボクは何も盗られていないから問題ないだろう。
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
次、シャックス・リード。
シャックス・リード
シャックス・リード
よろしく〜。
ルティルス
ルティルス
・・・・・・・・・・(  . .)"ペコ
アウロラ・ローラ
アウロラ・ローラ
カイム・カムイ。この人とは仲良くしないでね、ルティ。
次、アガレス・ピケロ。
アガレス・ピケロ
アガレス・ピケロ
ふわぁ〜〜、眠い………。

カイム・カムイ?って人の紹介を雑に終えて、ア、アロケル?って人の紹介に移ったローラ。当の本人はすごく眠たそうだ。あとで安眠効果のある薬草のブレンドでも渡そうかな……。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
こっから女子。あっ、紹介する性別違うとかはいうなよ。
まず、ウァラク・クララ。
ウァラク・クララ
ウァラク・クララ
はいはーい!!!!
私クララ!!あのねあのね────
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
ストップ、ウァラクさん!!あんまりその子に近づかないで……!!

緑の子がマーさんに止められている。ありがと、マーさん。失神するところだったよ。

アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
早く終わらすぞって言ったろ。
イクス・エリザベッタ。
イクス・エリザベッタ
イクス・エリザベッタ
は〜い。仲良くしましょうねぇ〜。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
クロケル・ケロリ。
クロケル・ケロリ
クロケル・ケロリ
よ、よろしくお願いします。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
以上だ。帰ってよし。
シャックス・リード
シャックス・リード
ちょっと待って!!

ロイがそう言った瞬間、金髪さんがロイの言葉に強く言い返した。こちらも当然肩ビクッ。帰っていいなら早く帰りたい……………。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
本人は結構無理してこの場にいる。それを引き止めるのか?リード。
ガープ・ゴエモン
ガープ・ゴエモン
けど、もう少し話したいでござる。
アウロラ・ロイ
アウロラ・ロイ
無理な話だ。それほどまでにお前たちは親しくない。
入間
入間
で、でも、仲良くなるには話さなきゃ無理なんじゃ………。


また言い合いにも似た話し合いがはじまってしまった。帰りたいのに帰れない、この状況をなんとかしてほしい。

クラスの人たちの話し声を聞いていると、だんだんと呼吸が速くなっていく。そのせいか、ホワイトを抱きしめていた手が緩くなって、ホワイトはいつ地面に落ちてもおかしくないくらいだ。
あっ…………、やばい………………いしき……が………………
イフリート・ジン・エイト
イフリート・ジン・エイト
────悪いけど、本当に帰っていい?この子の体調が悪いから。また話したいなら手紙を職員室まで持っておいで。マルバス先生、行きましょう。
マルバス・マーチ
マルバス・マーチ
えっ、あっ、はい!!
じゃ、また授業で!!


エイトさんが気づいてくれて強制的に話題を切り上げてくれた。正直助かったし、また過呼吸になってエイトさんたちに心配かけたくない。ボクの場合、過呼吸はそんなすぐに収まるものではないから結構な時間をそばにいてもらわなくてはならない。エイトさんに横抱きにされ、その場を去る。

落ちないようにエイトさんの教師服を掴む。あまり力が入ってないことが自分でもわかるほどの弱い力だが、別にいいだろう。
マーさんが後ろからホワイトを抱えながら小走りで追いかけてくるのが視界の端にうつる。

・・・・・・・・・・これは相当やばかったらしい。もしかしたら本当に失神していたのではないだろうか。

そのまま寝てしまって、次に起きたときは教師寮で先生たちが泣きそうな顔で体調を聞いてきたのはまた別の話。
スクロールお疲れ様でした。
そして、投稿してなくてすみません!!今回はすごく長かったと思いますが、楽しんでいただけたでしょうか?

次は入間くんが悪周期になる話でも書こうかぁと思っております。多分明日はもう1個の方を更新するので、更新できません。では、また。

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