第19話

特待生さん、悪周期…………?
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2026/01/01 10:00 更新
問題児アブノーマルクラスの人たちと会った日から何日か経った。
その間にロイとローラはバビルスを退学した。問題を起こしたとかではなく、家の事情とのことだ。多分、後継ぎ関連だろう。昔からロイたちのお父さんとお母さんはそこだけは厳しかったのを覚えている。


さて、そんな話をしているのはただの現実逃避だ。ボクはいつものように職員室にいたのだが、問題児アブノーマルクラスの人が全員揃って職員室に来たらしい。その対応をカルエゴ先生がやっている。ボクはホワイトを抱きしめたまま、ツムさんの後ろに隠れている。
特待生さんの要求を要約するとこう。

問題児アブノーマルクラスの扱いがひどい。そのために教室移動を要求する。場所は────王の教室ロイヤル・ワン


その言葉を聞いた瞬間、カルエゴ先生の纏う雰囲気が変わった。それに伴い、職員室の空気も重くなる。
カルエゴ先生が問題児アブノーマルクラスに提示した条件は「バビルスの教職員全員の許可書を3日以内に集めること」。
それを聞き、特待生さんはカルエゴ先生の手をとり、ハイタッチ?をして、去っていこうとする。それを止めたのはダリさんの声だった。

ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
待って。
入間
入間
?なんだ。
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
僕からも条件がある。
カルエゴ先生の条件プラス1人の生徒を怖がらせることなく・・・・・・・・・ここに連れてくること。怖がらせた場合、許可を出した教員はその許可を取り消せる・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
入間
入間
・・・・・・いいぜ。必ず連れて来てやる。


そう言って、特待生さんたちは職員室から出ていった。ダリさん。ボク、たぶん話すことも手を繋ぐのも無理だと思うよ。なのになんでそんなこと言うの?

ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
いや〜、ごめんね。ルティルスくん。勝手に決めて。

ダリさんがツムさんの後ろに隠れていたボクに向かって歩きながら話しかけてくる。目の前までくると腰を折って目線を合わせてくれた。ダリさんの顔には申し訳ないという色が見えたけど、少し期待しているような顔にも見える。ダリさんの考えていることはなんとなくわかる。けれど期待には応えられないような気がするのはボクだけだろうか。



・・・・・・・・・カルエゴ先生に少し頼んでみようかな。
今思いついたことをカルエゴ先生に言ってみようと思って、近くに寄る。紙とペンを出して、カルエゴ先生に文面を見せる。



「クラスに行ってもいい?さすがにフェアじゃないと思うから」


その文面を読んでカルエゴ先生はボクの顔を見て言った。
ナベリウス・カルエゴ
ナベリウス・カルエゴ
誰か教員を連れてこい。教員と一緒にいるのであれば許可しよう。
ルティルス
ルティルス
( . .)"コク


それはもちろんだ。誰も1人で行こうとは思っていない。その日の1限がない先生に頼もうかな………。
カルエゴ先生のそばで考えていると、こちらに近づいてくる足音が聞こえる。後ろを振り向くとダリさんとツムさんが立っていた。
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
どうかした?
ナベリウス・カルエゴ
ナベリウス・カルエゴ
さすがにフェアではないからクラスに行きたいと。
ムルムル・ツムル
ムルムル・ツムル
えっ、大丈夫?ルティくん。

カルエゴ先生の話を聞いて、ツムさんが心配そうにそう聞いてくれた。だが心配ご無用。ダリさんを連れていくつもりなので。


「ダリさん、一緒にクラスに来てくれる?1限がないときでいいから」



ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
いいよ〜。僕が出した条件だしね。1限があるときは暇そうな先生連れていって。
ルティルス
ルティルス
( . .)"コク


そのつもりだったので問題なし。じゃあ早速、明日にでもいってみようかな。今日は流石に無理。





━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━




翌日───────



職員室で朝の業務をこなしているカルエゴ先生。そろそろ時間だろうと思って席を立ち、ダリさんのデスクに向かう。その後、ダリさんと手を繋いだままカルエゴ先生のデスクに向かい、教師服を軽く引いてみる。まだHRが始まっていないから、今からいくはずだ。
ダリさんの手を再度強く握って、カルエゴ先生を見る。ホワイトも、さっきより少しだけ力を込めて抱えこむ。カルエゴ先生とダリさんにも正しく伝わったようで教室まで連れていってくれる。

問題児アブノーマルクラスにて───────
ナベリウス・カルエゴ
ナベリウス・カルエゴ
粛に。
ダリ先生が条件に出していた生徒を連れてきた。質問はしても構わんが、基本はダリ先生が答えると思っておけ。
シャックス・リード
シャックス・リード
えっ、なんで?その子って話せないの?
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
話せるけど、君たちはほぼほぼ初対面みたいなものだからね。
大きな声も控えてね。
ガープ・ゴエモン
ガープ・ゴエモン
わかったでござる!
では、好きなものは?
ルティルス
ルティルス
・・・・・。

持ってきていた紙とペンを使い、ガープさんの質問に対する答えを書く。ダリさんにクラスのみんなに見えるようにしてもらう。魔術で彼らの顔に近づけてもらったのだ。



「ものならぬいぐるみ。人なら先生たち。ことなら勉強や読書」

イクス・エリザベッタ
イクス・エリザベッタ
あら、そうなの〜?
そういえば、この前も抱えていたわよね〜、そのぬいぐるみ。
ガープ・ゴエモン
ガープ・ゴエモン
誰かからもらったものでござるか?
ルティルス
ルティルス
( . .)"コク
ウァラク・クララ
ウァラク・クララ
誰誰!?誰にもらったの!?
シャックス・リード
シャックス・リード
クラリン落ち着いて!!
えっと、誰からなの?


シャックスさんの言葉に髪に書いてまたダリさん魔術で浮かしてもらい、彼らの目の前に出してもらう。




「先生たち。先生たちと初めて会って最初の誕生日に買ってもらった」



イクス・エリザベッタ
イクス・エリザベッタ
あら〜、いいわね。
名前はあるの?(* 'ᵕ' )
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
あぁ。それは「ホワイト」だよ。
ちなみにカルエゴ先生が買った赤い鳥も大事にしてるよ。
ナベリウス・カルエゴ
ナベリウス・カルエゴ
・・・・・・・・・ダリ先生。余計なこと言わないでください。
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
え〜〜?いいじゃないですか。ルティルスくん、ほんとに大事にしてますよ。

イクスさんの質問にダリさんが答え、カルエゴ先生が知られてほしくなかったであろうことを暴露する。案の定、嫌だったらしく、顔を顰めていた。
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
ちなみに名前は「ルビーちゃん」だそうですよ。赤くて綺麗だからって。

そうなのだ。ボクは基本ぬいぐるみに名前をつける。赤くて綺麗な羽から「ルビーちゃん」と名づけた。結構、いい名前だと思う。明日連れてこようかな。

そんなことを考えていると、特待生さんに声をかけられた。

入間
入間
へぇ。
可愛いとこあんじゃねぇか、カルエゴ先生?(≖ㅂ≖ )ニヤニヤ
使ってんのか?そのぬいぐるみ。


「うん。寝るときにホワイトと一緒にギュッ、ってしてる」


入間
入間
そうか。よっぽど嬉しかったのか?
ルティルス
ルティルス
(*꒪꒫꒪)(  ._.)コクコク


嬉しいよ。だってすんごく可愛いんだもん。使い魔であるビャクヤたちも可愛いけど、また違った可愛さがあるのだ。思わず食い気味に反応してしまったが、特待生さんは笑っている。周りを見てみたら、クラスの人たちはなぜかニコニコと笑っていた。なんだろうか。

ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
はい。今日はここまでね。
また明日来るよ。ルティルスくん。職員室に戻ろっか。
ルティルス
ルティルス
( . .)"コク

名残惜しいけれど、先生だって忙しい。大人しく職員室にいよう。

問題児アブノーマルクラスの扉に向かって歩きながらさっき思ったことにもう1度思いを馳せる。
ぬいぐるみのことを聞いてくれたのは嬉しかったな…………。


クラスを出て職員室へ行き、いつもの予習・復習をしていると、いつも通り、問題児アブノーマルクラスの人が手紙を持ってきた。朝に会ったけど、手紙を受け取る勇気がまだないから返してもらった。

やっぱり、申し訳ないな……………。
ルティルス
ルティルス
あっ、
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
?どうかしたの?
ルティルス
ルティルス
!((-ω-。)(。-ω-))フルフル


彼らからの手紙が怖いなら、自分が書けばいいのでは?それならダリさんに頼べばいい。そうだ、そうしよう!!

ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
?本当にどうかしたの?
ルティルス
ルティルス
ダリさ、手紙、渡し、て?
ダンタリオン・ダリ
ダンタリオン・ダリ
手紙?
・・・・・・!書くの?
ルティルス
ルティルス
( . .)"コク

もらってばかりは申し訳ないし、譲歩されてばかりも嫌。先生たちのおかげで少し勇気を持てるようになった。渡すのは無理だからダリさんに任せてしまうけど、それでも今まで通ってくれたあの人たちに、そして、自信を持たせてくれる先生たちに少しでも報いたいから。



────────────これがボクの最大限の歩み。

ダリさんはボクの目を見てなにか感じたのか、息を吐いて「わかった」と言ってくれた。たぶん、ボクが思ってることも大体わかったのだろう。気恥ずかしくて照れてしまったけど、ダリさんはやさしく頭を撫でてくれた。

ルティルス
ルティルス
・・・(˶' ᵕ ' ˶)フフッ

今日、教師寮に戻ったら早速書いてみよう。



ルティルスくん、勇気だしましたね。先生たちのおかげって思ってるから先生たちへの手紙もしたためたのだとか。


次回は入間くん視点を書こうかと思っています。お楽しみに!!!

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