第8話

イヤモニが白色の理由⑧
3,410
2020/09/18 10:12
貴方side
〜現在編〜
あれから3日今日は横山くんがカフェに来る日。

私はあれから考えて崇裕宛の手紙を書くこと
に決めた。
それから今日はその手紙を横山くんに渡して
渡して欲しいとお願いする。

これももしかしたら自分勝手かも知らないけど
横山くんなら分かってくれると信じてるから。

横山くんの大好きなチーズケーキ2つを先に
取っておいて冷蔵庫の中に入れて置く。
コーヒーは横山くんオーダーメイドの
コーヒー。
横山くんの口にあったコーヒーを作るから
かなりの時間がかかる。

コーヒーの準備が大体出来たら
横山くんのいつもの席を確保する。
予約席と書かれたプレートを立てて
横山くんを待っていた。



下準備をしているとエプロンの中に入れていた
携帯が鳴って横山くんから連絡が来た。
横山裕
横山裕
『1時間後行ける。待っとって。
拓哉は?大丈夫そう?』
あなた

『わかった。拓哉くんは大丈夫。』

返信も終えてまた下準備をして
横山くんを待っていた。







それから丁度1時間後
カランコロンとカフェの扉が開いて
お客様が入店した合図が鳴った。
そのドアから入ってきたのは
横山裕
横山裕
お待たせ。話そか。
あなた

ううん。大丈夫。
いつもの席開けてるから。
そこ座ってて。持ってくるね。

横山裕
横山裕
おおきに!
横山くんがいつもの席に座るのを見て
先におしぼりとお冷を持っていった。
あなた

まだコーヒーちょっと時間かかりそう。
ごめんね?

横山裕
横山裕
かまへんよ。
ゆっくりでええで。
あなた

ありがとう。
先におしぼりとお冷置いておくね。

横山裕
横山裕
ん。おおきに。
予約席用のプレートを回収して
その机の上におしぼりとお冷を置いて
コーヒーの準備にかかる。

まだ午前ってこともあってお客さんも全然居ない。

だからのんびり出来る。
そしてこの時間帯は甥っ子の面倒も見ながら
お店も回せる。
甥っ子は多少人見知りがあるけど
常連さんや大倉くん、横山くんが来ると
飛びついたり私の手伝いをしてくれる。

…ほら今だって。
甥っ子「横ちょ〜!!!!」
横山裕
横山裕
うおっ。急に抱きついてくんなや笑笑
甥っ子「抱っこ抱っこ!!!」
横山裕
横山裕
もうしとるやん笑笑
あなた

拓哉くん。笑笑
ごめんね?痛かったでしょ?笑笑

横山裕
横山裕
まぁな。でも大丈夫やで。
…んっ?あなたにも飛びついてるん!?
あなた

ふふっ。時々ね笑笑

横山裕
横山裕
こーら。拓哉。
あなたに痛い痛いしたらあかんやろ笑
あなたはママよりも女の子らしいんやから
優しくしたってや。
あなた

お姉ちゃんよりもって笑

横山裕
横山裕
実際そうやん。
言葉遣いも丁寧やし。
あなた

そりゃ…2人は一応先輩だから
気をつけてはいるよ?

横山裕
横山裕
でもその割には敬語無くなったな笑。
あなた

もう要らないって言ったの
そっちじゃん。
なんなら横山くん自信が言ってたよ?
大倉くんもいたけど…。
言い出しっぺは横山くんだからね?

横山裕
横山裕
そうやったな笑笑
あなた

はい。
コーヒーとサービスのチーズケーキ
2個です。

横山裕
横山裕
おっ!おおきに!!
よしっ!拓哉食うか?
甥っ子「食べる!!!」
横山裕
横山裕
はい。じゃ、
食べる時なんて言うんやっけ?
甥っ子「いただきます!!!」
横山裕
横山裕
いただきます。
…ん〜!やっぱ美味いな笑
あなた

ふふっ。ありがとう。

横山裕
横山裕
はい、拓哉。
気ぃつけや?
まだちゃんとフォークを使えない甥っ子に
横山くんは自分のフォークで1口サイズに切ってから
甥っ子の口に近づけた。
甥っ子「ん〜!!美味しい!!」

甥っ子は頬に手を置いて美味しいポーズ。
…これがまた可愛い。
あなた

はい。拓哉くん特製りんごジュースです。

甥っ子「あーと!」
私が働くカフェではお子様連れも多く
子供用のジュースもコップも何もかも揃っている。
あなた

…食べ終わったら言って。
私他の接客とか準備してるから。

横山裕
横山裕
おん。わかった。
あなた

それと…。
拓哉くんのこと…

横山裕
横山裕
おう!俺見とるから
店のことやっててええで。
あなた

ありがとう。

甥っ子にジュースを置いて
空になったコーヒーのコップを下げる。

それから私は他の接客とお皿洗い等やっていた。

お客様も徐々に帰って行き
店の中は甥っ子と横山くんだけになった。
横山裕
横山裕
…あなた〜?
あなた

はーい!
今行きまーす!

やっていた皿洗いに区切りをつけて
手を洗って横山くんの方に。

甥っ子も横山くんの膝の上から降りて
私のところに走って抱きついた。
あなた

寂しかった?

甥っ子「ちょっとだけ。でも横ちょと遊んだ!」
あなた

よかったじゃん。
偉かったね。
…ありがとう言った?

甥っ子「うん!言ったよ!!」
あなた

横山くんありがとう。
本当に助かった。

横山裕
横山裕
かまへんよ。
……話そっか。
あなた

うん…。

あなた

今日は大事な話をします。
…ちょっと横山くんの力も借りたい。

横山裕
横山裕
おん。全然ええよ。
どんな感じ?
横山くんの隣の椅子に腰掛ける。
すると横山くんは立ち上がってカウンター席から
2つのコップに水を入れ1個を私の席の前に置いて
1つを横山くんの前に置いた。
あなた

…これを崇裕に渡して欲しい。

カフェに来た時大切な封筒だから
濡れないように落とさないように
紫のイヤモニが入っている同じ棚に丁寧に仕舞った
その封筒の中にお守りとして
紫のイヤモニも入れた。

薄紫色の封筒を棚から取り出して
それを横山くんの前に置いた。
横山裕
横山裕
…これは?
あなた

8年前の過去の私の想いと
8年後の今の私の想い。
…全部詰まっている大切なもの。
横山くんじゃなきゃ頼めない。
私の思いを受け取って欲しい。

「お願いします」と頭を下げると
その頭に横山くんは手を置いて
あの時みたいに優しく撫でてくれた。


…事務所を辞めると関ジャニ∞の皆さんの前に
伝えたくて私が大阪の飲食店に誘った時。
その時も私の前にいたのは横山くんで
「ごめんなさい」と頭を下げた時も
横山くんが優しく頭を撫でてくれた。

あの時は「よく頑張った。」って言ってくれた。

でも今日はなんて言ってくれるんだろう。
横山裕
横山裕
…よう頑張った。
俺が責任もって濵ちゃんに渡すさかい。
あなた

…‪…っ横山くん!

横山裕
横山裕
当たり前や。
こんな大切なもの渡さないわけが
あらへんやろ。
…ちゃん届けるから待っとってな。
あなた

ありがとう。
本当にありがとう。

横山裕
横山裕
その代わりって言ったらアレやけど
今日飯ここで食べてもええ?
あなた

うん…!
とびきり美味しいの作ってあげる!

横山裕
横山裕
ふは。やった。
…ちょっと家によるから
また夜こっちに顔出すわ。
あなた

うん。ありがとう。
連絡して。
店閉めるから。

横山裕
横山裕
ええの?おおきに。
ぱぱっと用意して横山くんはお店を後にした。



渡した手紙は丁寧に
資料のファイルと一緒に入れてくれて
ちゃんと綺麗に届けてくれるんだと思うと
本当に嬉しかった。
















だからどうか届いて欲しい。
こんな形でずるいかもしれないけど
崇裕に届いて欲しい。

今でも私はあなたを想っていて
今でも私はあなたを忘れてなくて
今でも私たちの思い出は鮮明に覚えている

勝手に消えて 勝手に傷付けて
静かに生きている私のことを…。

プリ小説オーディオドラマ