第3話

イレイザーヘッド
2,367
2020/05/21 14:17
『んー……今日の仕事めんどくさかったぁ

俺に勝てるわけないのになんで勝とうとするかな……』

俺は依頼人に依頼達成と送る

今回の依頼は〘ある暴力団の壊滅〙

壊滅だけで殺せとは言われてないから極力殺さなかった

ただボスのやつだけは最後まで諦めなかったので殺した

『上乗せしてくれてもいいくらいだ』

俺はそんな愚痴を零しながら街を歩いた

歩いているとバシャアッと突然頭の上から水が降ってきた

まじか……

「きゃああ!す、すみません!」

『あはは……気にしないでください』

「せ、洗濯代金……汗」

『大丈夫ですよ』

金ならたんまりあるし……

それにそろそろ服買いに行こうと思ってたし

『じゃあ失礼します』

俺はびしょびしょのまま服屋に行った

『……』

やべ…オシャレな店に来ちまった

「いらっしゃ……お、お客様、服が濡れていらっしゃいますね?」

『さっき水を被ってしまって……あの、適当に服を見繕って貰っていいですか?』

「はい、もちろんでございます!」


見繕って貰った服は

コットンニットにジャケット

下は黒の細身のジーンズに靴は黒のハイカットだ

「実は今サービスで髪のセットもさせていただいているんですが……!」

いや、ちょ、めっちゃ顔にセットしたいって書いてあんだけど……

『え、あ……お願いします……』


俺の髪はニュアンスパーマにセットされた

めっちゃ目立つ……

ま、いいか

俺はそう思って店を出た


『〜♪ん?人が集まってる?敵か?』

俺はその人ごみに向かう

人多すぎだろ…

『あのー、なんかあったんですか?』

俺は隣のおっさんに声をかけた

「また出たんだよ」

いや何が笑主語どこいった笑

『えっと…なにがですか?』

「ほら、最近よく聞くだろ?死神だよ」

俺やん

え、俺こんなとこに死体捨てたりしねぇし

『でも、ほんとに死神なんですか?』

「間違いねぇってよ。彼岸花も置いてあったらしいしな」

いやそれだけかい

『へぇー怖いですねー(棒)』

「そうだなぁ…というかいきなり棒読みになってねぇか?」

『そんなことないですよー。じゃあ失礼しますね』

俺はその場に背を向けた

誰かが俺のフリをしてるって事か

俺も有名になったなぁ

でも…俺のせいにされるのは困るかな

『久々にイラッときた』

その瞬間思わず殺気が出てしまった

おっと…あぶねー

と思ったのは遅かった

ガシッ

突然肩を掴まれた

『…なんですか?』

俺は振り向きそのヒーローに営業スマイル

「今殺気を放ったのはお前だな?」

あの一瞬が分かったのか…やるなぁ

『はい、すいません。思わず』

「あの殺気は素人じゃ出ない。お前ヒーローか?」

『いいえ』

「なら敵か?」

『いいえ』

「(どちらにも嘘はついてない……なら格闘技やらのプロってことか?)

格闘技やボクシングなどはしてるか?」

『いいえ、ただ武術には心得があるくらいですよ』

「…そうか、疑って悪かったな」

『いえいえ、自分も疑われるようなことをしましたから

では失礼しますね、イレイザーヘッドさん』

「(今は素だぞ?なぜ分かった?)」

あ、素のイレイザーに言っちゃった

まずったー……まぁいいや

俺は足早にその場を去った


『…今日の仕事楽だと思ったけどかなりキツそうだな』

なんでこんなヒーローが護衛してる?

ただの金持ちだろ?

…あ、待てよ?もしかして…

「死神は来ましたか?」

「いえ、まだです」

「今までの犯行の傾向から今回の出した罠の依頼を受けるはずです

気は抜かないでください」

「はい!」

『ハハッ……やってくれるな、イレイザー』

あの人頭回るからやりにくい

とりあえず裏口から行くか


「本当に来るのか?」

「どうだろうな、でも今夜は全力で守るだけだ」

『いい心がけですね』

俺がそういうと2人のヒーローがこちらを向いた

トスットスッ

俺は即座に手刀を食らわす

『ふぅ……ヒーローも大したことないな』

まだ2人気絶させただけだけど

俺は裏口の戸を開く

その瞬間頭の上からあみが落ちてくる

『うぇ!?』

バサッ

『あっぶねー……』

「来たな、死神」

『…さすがですね。イレイザーヘッド

頭のよく回る人だ』

「この人数を前に焦らないのはさすがといったところか」

『まぁね、こちらも慣れているもので』

「だがその威勢もいつまで保ってられるかな」

その瞬間多くのヒーローが一気に攻撃してくる

俺は一つ一つ何とか避ける

攻撃の間隔が短い…さすがプロだ

とりあえず、めんどくさいから眠ってもらおうか

俺はスピードを上げてヒーローたちに手刀を食らわせていく

手刀って便利ー

スタッ

『さて、どうですか?イレイザーヘッド』

「やっぱりその身体能力は個性じゃないのか。元から生まれ持った才能だな」

『えぇ、そうですよ』

そーいやこいつの個性って個性消すんだっけ?

『…今回の依頼は罠だったと分かったので退散させてもらいましょうか』

「そうはさせn『お詫びにひとつ秘密を教えましょう』?」

『私は個性を持ちません。つまり、無個性ということ。そして個性とは別にひとつの能力を持つということ』

「なっ!?」

『それでは、失礼します』

俺はそう言い残してその場から風のように消えた


『…イレイザーヘッド、あいつ面白い』

俺の思考をしっかり読んできた

俺ははっきり言うと大人数を相手に戦うのは苦手だ

まぁ相手が弱かったら負けることは無いけど

『今回のイレイザーの誤算は俺の実力が集めたヒーローの実力を大幅に上回ってたってことだな』

でも今回無個性だって教えてやったし、他の能力を持ってるって教えたし…

次はもうちょい楽しめるかな

『面白くなってきたねぇ…』

俺は思わず口角が上がってしまった

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