よ「今日は2人でHAPに泊まってく?」
〇〇「え…?」
私はようへいさんからその言葉を言われた時、何が起こったのか分からなかった。
ふたりきりでHAPに泊まり…?
よ「あ、変なことはしないよ!?!?ただ、〇〇は1人で帰れないし、〇〇ひとりでここに泊まるのも危ないからって思って…」
〇〇「あ、いや、分かってますよ!?ただびっくりしちゃって…」
よ「で、どうする?」
ようへいさんは息を飲んで私の答えを待つ。
正直言って、私はようへいさんからそんな提案をされて嬉しかった。私に気を許してくれているようで。
〇〇「あ、えっと、ふたりで泊まりましょう、ようへいさんが嫌じゃなければなんですけど…」
私は何故か恥ずかしく感じて消え入りそうな声でそう告げた。
よ「え、あ、俺は全然嫌じゃないよ!変なことはしないから安心して。寝る場所も別々にしようね。」
〇〇「あ、はい!ありがとうございます。」
そして私たちはHAPに泊まることになった。
よ「じゃあ、〇〇お風呂先に入っていいよ。俺は2階で編集の続きしてるから。」
〇〇「ありがとうございます!じゃあお先に…」
そう言って私はお風呂場に向かう。
シャワーを浴びながら考えた。
ようへいさんと2人になることは前にもあったけど泊まりとなると緊張してしまう。
ようへいさんも同じ気持ちだったらいいのに。
私の中でそんなおこがましい考えが浮かんだ。
ようへいさんも私と同じようにドキドキしてればいいのに、ようへいさんが私の事意識してればいいのに。
1つ考えが浮かんだら願望のようなものが次々出てくる。
これからふたりきりだと言うのにこんなことを考えていたら、勢い余って告白してしまいそうだ。
私はシャワーの温度を下げて冷静になろうとした。
ようへいside
1階からシャワーの音が聞こえる。
俺は深いため息をついた。
好きな人と泊まりになって落ち着いていられる方がおかしいだろう。
自分から提案したけど俺は緊張していた。
〇〇も俺と同じように意識してくれていたらな。
ふとそんなことを思ったけど余計な期待はしないようにした。
俺は平静を保っていられるように、編集に集中した。
〇〇「ようへいさん、お風呂ありがとうございました〜」
〇〇はそう言って2階に上がってくる。
だが、〇〇は顔を隠していた。
よ「どうしたの〇〇、顔なんか隠して。」
〇〇「あ、いや、私今すっぴんなので…。ようへいさんに見られるの恥ずかしいと言いますか…。」
〇〇は恥ずかしそうにそう言った。俺はそんな〇〇が愛おしく感じた。
よ「大丈夫だよ、〇〇は可愛いから」
〇〇「か、かわっ……!?」
〇〇はびっくりしたように顔を上げた。
化粧をしていなくても〇〇は俺が思っていたよりも何倍も可愛くて俺は息を飲んだ。
〇〇「やっぱりようへいさん、私のすっぴんが可愛くなくてびっくりしてる…」
よ「ちがうちがう笑。逆だよ笑。」
〇〇「え、逆ってどういうこと
よ「じゃあ俺もお風呂入ってくるね〜。」
顔を赤くした〇〇を置いて俺はお風呂場へ向かう。
〇〇が他の人のものになるぐらいなら、アタックし続けてやる。
俺はそう思い始めていた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。