電話越しの彼にそう今にも寝そうな声で言う。
彼と私は幼馴染で、実は私の片思いでもある。
こうして夜電話をし始めたのはお互いがスマートフォンを持ち始めた頃からずっと。
周りからカップルのように言われていた私達はスマートフォンを持ち始める前から「夜毎日電話しようね」と約束していた。
するともうそんな約束を交わしたあと電話は日常のようになってしまったのだ。
まぁ、好きな人と夜も話せるのは嬉しい。
電話越しだから顔は見せれないし、なんなら見せたくないけど。
夜もこれだけ話してまだ付き合えないのが不思議なくらい。
友達から聞いた噂だけど彼には好きな人がいるらしい。
好きな人がいるなら私の電話なんて断ればいいのに。
そう思ったこともあったな。
電話越しに聞こえるいつもの彼の声。
本当は友達の事だったり愚痴だったり、今日あったいい事だったり、話したいことなんて山ほどあるのに。
私は「本当は話したことはまだまだあったんだよー?」とあくびをしながら言った。
「それは残念。」と煽り気味に彼に言われた。
そう断ると彼は「なんだよそれ」と笑われた。
そんな事を言う彼に「気になるな。」と突っ込んだ。
そうボソッと言ったあと、少し沈黙が続いた。
いつもなら沈黙なんて絶対にない私たちに沈黙が続くなんて珍しい。
私はもう寝たのかなと思い「もう寝ちゃったか。切るよー」と寝ているはずの彼に聞こえるように言った。
すると突然黙り込んでいた彼が口を開けた。
私の様子を察してそう言ったのかと驚いていると、
電話越しに鮮明ににあくびをする声が聞こえた。
それってどういう事……と戸惑っていると
と言ったあと「って事でおやすみ。」
そう言い終えてすぐ彼に電話を切られた。
流石に驚き、私は立ち上り洗面台に言った。
もちろん鏡に映る自分の顔は真っ赤だった。
そんな彼にまた私は沼ってしまう。
眠い理由𝑭𝒊𝒏.













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。