(蘭 side)
SixTONESのマネジャーとして、働いていたのは、病気の弟の治療費を稼ぐものだった。
私の本当の顔は、「女優」。
元々子役として、芸能界にいた。
そのきっかけも、弟のため。
私の父は、大手プロダクション社長。
私も弟も、母親は違えど、父と血は繋がっているはずなのに、母親がふたりとも病気でなくなったことで、弟を呪われた子だと、わけがわからない言いがかりをつけた。
弟は、元々体が弱かったが、父親からの暴力を受け続け、精神を病み、それが原因となって、病気なった。
治療費を出さない、そう言いはった父に正直うんざりして、私は父との縁を切り、子供でも仕事ができる芸能界に足を踏み入れた。
子役として、一世を風靡した私だったが、子役は大きくなって残れるもの、残れないものが出てくる厳しい世界。
いっときと比べて、仕事量が減ってきた中3の秋。
このままでは、弟の治療費を、まかなえなくなる可能がある。
そう考えた私は、
『学業に専念するため』
という、よく聞くありきたりな理由をつけて、
芸能界から、去った。
高校も通信制にして、空いている時間すべてをアルバイトに費やしていた私は、
ある時帰り道端で過労のため倒れた。
その時助けてくれたのが、ジャニーさんだった。
これまでの経緯をすべて説明すると、
ジャ「そんなんじゃ、君倒れるところか、死んでしまうよ。君さえよければ、未来のアイドルたちのマネージャーとして働いてくれないか。」
そう言ってくれた。
そのマネージャーになったのが、SixTONES。
最初は、ジャニーズらしからぬヤンキー大男たちという印象だったが、彼らを知るうちに、純粋で素直で仕事にまっすぐな人たちだった。
そんな彼らの姿に、私は弟のためだけでなく、彼らのために頑張りたい、そう思えるようになった。
いわゆるハニートラップだったり、同期からの嫉妬に巻き込まれること多かったが、私のできる限りの手を使って、阻止した。
これからも、弟のため、彼らのために、全力を尽くして頑張っていく
そう考えていたときだった。
湊「ずっと、蘭姉のそばにいられない」
そんな言葉を聞いたのは。
頭が真っ白になった。
それと同時に、あのときの約束
そう、私がもう一度、女優として、テレビに出る
これを果たすときが来たということ。
それは同時に、SixTONESのマネージャーができなくなること。
でも、残りの時間が限られた弟のためを考えたら、迷っていられない。
そう思い、ジャニーさんに『辞表』を置き手紙として、
私は、彼らのもとから去った。
……………、はずだったのに
蘭「どうして………」
これは神様の悪戯だろうか。
私が、復帰一作目にして、挑戦とも言える大恋愛ものの、相手役として
松村北斗が選ばれたのは。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。