第50話

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2024/06/04 23:00
橋の前

桜「もうそろそろだな」

あと数分で12時

「本当に来るんだよな…」

杏西「来なければ来たところに行くまでだ」

…来た

楡井「き、来た…」

ゾロゾロ

多くね

…待てよ、嫌な予感がする

「ま、マジで来やがった」

「どんだけいるんだアイツら」

蘇枋「明らかにこちらより多いね、にれ君援軍の要請を」

楡井「はははははい」

スポッ

楡井「あ、送りました」

杏西「よし、援軍来るまで待たせるぞ」

「「おう」」

ピロンッ

ピロンッ

高梨「なんだ?」

ピロンッ

ピロンッ

杏西「どうした?」

ピロンッ

楡井「え…あ…な、」

ピロンッ
ピロンッ

貴方「っわぁ、」

楡井「なんだ、これ…」

楡井「全地点からの、応援要請…?」

これはこれは

楡井「ど、どうするんですか…どうしたらいいんですか?!」

桜「ふっ、そういや前にもこんなことあったよな
聞いてた人数よりも多くて囲まれて…またオレ1人で相手してくるか?」



すべったね

柘浦「さ、桜君、ウケとらんで…」

桐生「つげちゃん、せっかく桜君が頑張って和ませようとしてるのに」

貴方「頑張ったね、桜」

桜「どう言う意味だっ!」

蘇枋「困ったね…」

にれー君震えすぎじゃない?!

貴方「どーどー、落ち着いて」

楡井「…」ガタガタ

桜「…人を傷つけるもの」

貴方「!」

桜「物を壊すもの、悪意を持ち込むもの
何人も例外なく」


桜「ボウフウリンが粛清する!!!」


ははっ、成長したね

クルッ

桜「…フッ」

ダッ

は、笑った…

柘浦「いくでぇ!!」

桐生「おお!」

蘇枋「うん!」

杉下「…」

貴方「大漁だぁ!!」

楡井「うぉ''お"お"!!!」

「「「あ"ぁ"あ"あ"っ!」」」

おぉ!みんないい声だな

ダダダダッ

「こいつらあれだけか?」

「余裕だぜ!」

聞こえてるわ

蘇枋「…この辺か…みんな配置へ!」

おし!

ザッザッ

「あぁ?なんだあいつら、急に止まっ」

ドッ

桜「止まってねぇよ」

「こいつは1人で突っ込んできたぞ、はっバカが!」

ドッッ

桜「チッ、テメー!横入りしてんじゃねぇ!!」

「もう1人いるぞ!!」

よしよし上手く気を引いてるな

ヒョイッ

貴方「ハロー!」

「なっ?!」

ドゴッ

「ぐぁ"っ!」

ズザァッ

「こいつ!どこから現れやがった!!」

ヒュッ

貴方「うわ!危な!」

桜「テメー!こっちにも流せよ!」

貴方「わかってるって!流石に全員は無理!!」

「囲め!」

「おらっ!」

貴方「よっと!」

ゴッヒュッドゴッドッッ

「っがぁ"!」

貴方「葉墨先輩直伝の技」✌️

「らぁぁあっ!!!」

ヒョイッ

貴方「腹がガラ空きだ」

ガッ

「ぅぐっ!ゲホッカハッ」

貴方「どっからでもかかってきな、相手してやるよ」

「っ怯むな!やれ!!」

「調子に乗りやがって!!」

シュッガンッ

貴方「おぉ!早いね君!」

「はっ!生意気なクソガキがっ!!」

ゴッ

貴方「少しうるさい」

バタッ

さて、向こうはどうなってるかな

わぁ息ぴったり

前世双子だったんじゃない?

あ、説明がまだだったね!

なんで私がこんな前線にいるか

回想どうぞ




蘇枋「はーいそろそろ始めるね」


蘇枋「この前の幹部会でオレたち多聞衆の一年は学校から一番近い橋を守ることになった話はしたよね」

蘇枋「この場所を守るのはオレたちだけ、現場で先輩の指示を仰ぐこともできない…なんで、想定と作戦は必要だと思って考えてみたんだ、水木先輩からもOKもらったからみんなに伝えるね」

蘇枋「あ、なんでオレが話してるのかって言うと
桜君に作戦考えるの丸投げされたからでーす」

「おいおいなんだよそれ」笑

桜「うっうるせー!苦手なんだよこう言うのは
それに、オレがやるより蘇枋がやった方が絶対いいだろうがよ」

杏西「おー、頼りにされてんな!」

蘇枋「…さて、本題に入ろうか」

蘇枋「宣戦布告に書かれたルールでは、オレたちが1人でも目の前に立っていれば街には手を出さないと書かれていた」

蘇枋つまりこの戦いで重要なのは勝つことじゃない、負けないことだ」

蘇枋「敵を倒すことより自分達がやられないことを第一に考えてほしい」

「それはそうなんだけどよ、相手の出方はわからないんだろ?」

「自分達より遥かに多い敵が来たらどうするんだよ」

蘇枋「せっかちだなぁ、そのための作戦だろ」スッ

磁石?

蘇枋「今言ってくれたように、オレたちの最悪はこの橋に敵が来て、なおかつ数で圧倒されること…
そして数が多い方の常套手段は1人を複数で囲むことだ」

なるほど

蘇枋「キールとの戦いを思い出してほしい、羽交い締めにされたり大人数で囲まれたり、きつい戦いだったね」

思い出すだけでイライラするー!

蘇枋「ただ、今回の戦いはその時と違うとこが一つある」

蘇枋「橋という幅が狭く限られた空間での戦いだということ、どれだけ人数が多くても一度に向かってくる人数は制限される」

確かに…

蘇枋「つまり、オレたちが一度に相手する人数も制限されるということだ。だからこそ大切なのは
この状態をいかに崩さずいられるかがカギになる」

「状態?」

蘇枋「そう、みんなが同じ方向を向いて密集し続けること、そうやって味方同士の距離を近くすることで背後に回られることを防ぐことができる」

貴方「後ろの人が前の人をサポートするってこと?」

蘇枋「そういうこと」

「おぉ!」

「確かにこれなら入り混じって戦うより」

「囲まれなさそうだ」

「いけそうじゃねーか?」

蘇枋「あ、でもこれ一対一で負けないことが前提だから」シャラ

「…お、おう…」

「…とは言えよ、敵の数が多い以上時間が経てば経つほどそうも言ってられねぇだろ」

蘇枋「うん、応援が来るまで待てばいいと言っても数を減らすことも考えなきゃね」

蘇枋「そのために、先頭より先に特攻を置く」

パチンッ

蘇枋「この2人はどれだけの敵に囲まれようが倒れることなく敵の数を減らし敵を引きつけ続けてもらう」

やばい役割じゃん

「いやいやそんなの無理だろ!」

「こんなやばい役だれが…」

蘇枋「決まってるじゃないか、我が組の二大エースだよ」

蘇枋「2人ともお願いね」

「い、いや、いくらなんでも」

桜「わかった」

「?!ちょっ桜」

桜「ただひたすら敵を倒し続けりゃいいんだろ?わかりやすくていい」

杉下「…」コクリ

蘇枋「ありがとう」

桐生「おぉ」

柘浦「さすがや」

蘇枋「オレたちがどれだけ耐えれるかは君たちがどれだけ敵を減らせるかにかかってる」

蘇枋「絶対にどちらかが欠けてもいけない
だから一つだけ約束して」

蘇枋「お互いがお互いの背中を守りながら戦うんだよ」

桜「な、なんでそんなこと!」

蘇枋「その方が効果的だからだよ」

蘇枋「つまり相棒ってことさ」

貴方「じゃあ握手しよっか!」

蘇枋「そうだね!」

桜「なんでそうなるんだよ!」

蘇枋「え?だって相棒だよ?」

貴方「ほら手ェ出して」

桜「…っチッ!」

ガタッ

スッ

杉下「…チッ」

スッ

パシッ

あ、

桜「てんめー!!ふざけんな!!」

ガタッゴトッ

ギャーギャー

杏西「お、おいやめろって!」

高梨「落ち着け!」

蘇枋「うんうん」

貴方「ケンカするほど仲が良いだね」


蘇枋「あ、一個忘れてた!」

桜「あぁ?!」

蘇枋「数を減らすのも大切だけど、強そうなやつは何がなんでも真っ先に倒してね」

貴方「これで終わりかな?」

「あれ?でも特攻の磁石もう一個あるぜ?」

「本当だ」

「もう一人いんのか?」

蘇枋「うん、もう一人はあなたの名字ちゃんね」

貴方「…はぁ?!」ガタッ

桜「なんでコイツなんだよ!」

蘇枋「あなたの名字ちゃんはこのクラスで上位に入る強さを持ってるからね」

「…だけどよ、これ、一人だけ敵の後方じゃねぇか…」

マジやんけ

貴方「と、取り敢えず作戦聞くわ」

蘇枋「うん!ありがとう!」

蘇枋「まず、オレが合図を出すから決められた場所に行って待機、そして桜君と杉下君が突っ込んでいって敵の注意を引く。その間にここまで行ってほしいんだ」

桜「んなの危なすぎんだろ!途中で見つかったらどうすんだ!」

蘇枋「大丈夫!あなたの名字ちゃんは気配消すの得意だから」

貴方「…はぁ、分かったよ!やってやる!!」

「頑張れよ!」

「無理はすんなよ!」

蘇枋「よろしくね」

柘浦「怪我せんようにな!」

ケンカだから怪我はするだろ

桐生「殴られたら言ってね倍で返すから」

怖いよ??

貴方「頑張ります!」

「「「頑張れ!!」」」










貴方「っら"ぁ!!」

「がっ!!」

マジで多すぎー




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