第37話

放棄
443
2024/04/21 14:19

 あなた side











      長い黒髪を後頭部に団子で結わえ、

    白い生地のシンプルな着物を纏ったソレは

  表情ひとつ変えず、厳かな雰囲気で言葉を続けた。







  お初にお目にかかります  
  禪院家当主 禪院直毘人様より
あなた様に是非お目にかかりたいと
仰せ使っております。
  つきましては、あなた様には  
禪院家本家にまで
御足労頂きたく__________
伏黒 恵
伏黒 恵
  行きませんよ。何言ってるんですか  
コイツの保護者は五条先生です






     ペラペラと言葉を続けていたソレに

    ふしは言葉を遮りつつ、一歩前に出た。






伏黒 恵
伏黒 恵
  禪院家に行くなんて  
''五条さんが''許すはずない
あなた
  ……なにそれ  



  ふしはやっぱり、私の事なんにも分かってない。



  あなた様は禪院家のご令嬢です  
  よってあなた様の保護権は本来禪院家に  
あり、五条家の許可は必要ありません
伏黒 恵
伏黒 恵
  そんなことしたら、
五条家と対立する事に__________

















あなた
  もういいよ。ふし  
伏黒 恵
伏黒 恵
  っ!…は?  
あなた
  …全部どうでもいい。だから好きにして  
  …承知致しました  





   ふしの横を通って、ソレの後ろをついて行く。

    私が振り返りもせずただただ足を進めても

        ふしは特に何も言わず

  結局、最後まで何も会話を交わさないままだった。




あなた
  ( 一度も引き止めてくれなかったなぁ )  





















伏黒 恵
伏黒 恵
  禪院家に行くなんて  
''五条さんが''許すはずない















        悟なんてどうでもいい。

    ふしが拒んでくれれば、私も拒んだのに。






   でも私は、あの子にはなれないみたいだから。

    ふしが私を必要とするなんてことは無い。























  近くに車を呼んでおりますので  
そこに向かいましょう





      無機質な声でそう言ったソレは

          外の大雨を見て、

    予め用意していたであろう傘を私に手渡す。





     そのまま高専の敷地外に向かうよう

     三歩後ろを歩きつつ、私を誘導する。




















あなた
  …私の事、殺さないの?  






       高専から出てきた辺りで

     暫く続いていた沈黙を自ら破った。







  ソレのパシャパシャと雨水を含んだ足音が止まり

  私に背中を向けたまま、五秒くらいの沈黙が続く。






  ………  




こっちに顔を向ける気配すらしないソレに苛立って

     また返答も待たずに言葉を紡いだ。



あなた
  この前、悟に化けてた奴でしょ  
それと、初任務で二級呪霊を蠅頭にも
変化させてふしを襲わせてたっけ?
あなた
  …それが本物の姿?  
いや、これも偽物かな
あなた
  まぁなんでもいいや
殺すなら早く殺しなよ
あなた
  今の私なら、抵抗する気も無いから  
きっとラクチンだよ
  …………  






     ザーザーと降り続いていた雨が重く

       そして激しくなっていく。





   靴下に少しずつ水が染み込んでいく感覚がして

       なんだかもう全てが気色悪い。






  
  ふはっ…なんだ。気づいてたの  





  そう乾いた笑いを零し、私に顔を向けたソレは

   狂いに狂った鬼のような笑顔をしていた。

























_@_
敬語苦手です
早く敬語のセリフ無くしたかったです
てか国語全般苦手です…
_@_
変な敬語となっていても
気にしないでください



 【じゅじゅさんぽあまり重要でもないちょっとした設定











 《 禪院 あなた ? 》




 ・猫背なため、身長(163cm)の割に小さく見える


_@_
現在はふしに指摘され
猫背を治そうと努力している



 ・食べることへの執着は異常
   (幼少期あまり食べられなかったため)


_@_
ただし、好き嫌いはあまりない



 ・昔の記憶はあまりない



_@_
少しずつ、断片的に思い出してきている




 ・髪の長さは肩に少しかかるくらい



_@_
後ろ髪も前髪もセルフカット



 ・めちゃくちゃ細い



_@_
栄養失調気味だった
最近は改善されつつある




 ・無表情&覇気が無さ過ぎてよく舐められる



_@_
ナンパという概念は知らないため
ナンパされてもホイホイと着いていく
食事出来ればなんでもいいため



 ・部屋は綺麗と言うより殺風景



_@_
物への執着が無さすぎる




 ・調伏した式神は結構多い(詳しくは後ほど)



_@_
夏油さん時代にある程度調伏した
流石に魔虚羅はまだ








 《 禪院 桃 ? 》





 ・めちゃくちゃ可愛い


_@_
本当に可愛いです。
直哉とはほんのり似てる程度です


 ・元々は黒髪

_@_
染めた理由は後ほど



 ・実はあなたと同い年


_@_
以前『準一級』とお伝えしましたが
高専の入学が決定した段階で『準一級』と
格付けされました(まだ入学はしていませんでしたが)。ですので殆ど任務などは受け持った事は無かったのですが『灯』の構成員ではありました(そこでめちゃくちゃ努力し、準一級程の実力に)



 ・高専の入学は母親の差し金


_@_
禪院家の人間はあまり高専に
入学しませんが、桃は母親から嫌われて
いたので、遠くに追いやられる形で
東京校の方への入学が割と早い段階から
決まっていました



 ・禪院家の中の評価はダントツでトップ



_@_
可愛い、礼儀正しい、謙虚、強い、
おっπが大きい…等の理由で超人気です
蘭太より人気




 ・身長は155cm



_@_
周りが身長高いので
小柄に見られがちです



 ・直哉、母親に虐められまくった過去あり


_@_
直哉も母親も桃への当たりは
強かったです。母親は恨み、直哉は
弱い奴が虐められるのは当然やろ?
みたいな感じです



 ・伏黒くんとは長い付き合い


_@_
割と幼少期からの仲です
伏黒くんが『桃』と下の名前で
呼び捨てなのも幼馴染&タメだったから



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