第38話

権利と義務
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2024/04/27 13:09

 伏黒 side









伏黒 恵
伏黒 恵
  だが……''桃なら''迷わず虎杖を助ける  
(なまえ)
あなた
  ッ……  





  『 あんなこと、言うべきではなかった。 』

  そう後悔したのは、お前のその表情を見た瞬間。







  まるで何処にでも居る少女が、他人の一言で

 簡単に傷付いてしまったような……そんな________










    _________極普通な '' ヒト '' の表情。






(なまえ)
あなた
  ……私が、その子みたいになれば  
ふしは私をスキになってくれる?





  その小さな口から出た言葉はひどく震えていた。

  だが、強がって吐き捨てるようにそう言ったあなたは

      自分がナニカに怯えている事にすら

        きっと気付いていない。






   でもその恐怖の原因を作ってしまったのは

       少なくとも、俺自身だ。





伏黒 恵
伏黒 恵
  _____お前は、桃みたいにはなれない  






   この言葉に、俺は悪意なんて一つも無かった。







   俺からすると桃もコイツも一人の''人間''で

  お互いが相手みたいになるなんて事は出来ない。







  さっきみたいに桃とあなたを比べる事はあったが

 あなたに桃の代わりになって欲しかったわけじゃない。








       ただ、少しの期待はあった。

  幼い頃に人の常識を教えて貰えなかったお前でも

  多くの人を殺し、人さえも食してしまうお前でも



   自分の罪を理解し、償いながらも生きていく。

    そんな未来がある事を、期待していた。



  津美紀や虎杖みたいな善人にはなれなくとも

 罪を償い真っ当な人間として生きる''権利''くらいは

         不平等な現実のみが

   平等に与えられているこの世界だったとしても

  お前にだって与えられていると証明したかった。






       その権利が証明された時、

    桃は初めて報われる気がしていたんだ。





(なまえ)
あなた
  もういいよ、ふし  
伏黒 恵
伏黒 恵
  っ!…は?  






    だが、そんなモノは俺のエゴでしかない。





  演者と作者の意図や都合など全く気にしていない

      観客の勝手な解釈による意見だ。

   良く言えば多様な意見。悪く言えばアンチ。




(なまえ)
あなた
  …全部どうでもいい。だから好きにして  






         そして今、この瞬間。

    俺の意見は演者あなたにとってアンチとなった。





伏黒 恵
伏黒 恵
  ッ…  







   禪院家の使用人に着いていくあなたの背中に

   「待ってくれ」という言葉が喉から出かけた。






      …だが、その言葉は声にもならず

  喉の奥で痰が絡んだようにつっかえて出てこない。





伏黒 恵
伏黒 恵
  ……クソっ  





       なにが「待ってくれ」だ。

  俺のエゴと無責任な発言で散々傷つけておきながら

         あなたが去る時は

    都合よく引き止めるつもりだったのか?







      仮に俺の言葉が喉を通り抜けて

       言葉になっていたとしたら

    恐らくあなたは、喜んで俺に着いてきた。







       でも、それじゃダメなんだ。

 それだとあなたは、いづれ俺のエゴに従う人間となり

   ''償う権利''も''償う義務''へと変貌してしまう。

      それは、誰も報われない未来だ。







        そんなことを言って、

    このまま禪院家に連れていかれるあなたを

    放っておくのも危険なのはわかっている。



   



伏黒 恵
伏黒 恵
  ( じゃあ俺はどうすればいいんだよ…っ )  







  そう拳を握りしめた傍で、外の風に当てられた窓が

      ガタガタと音を立てて揺れた。







































_@_
夢主ちゃんがこの回を見たら
「難しい話しないでよ、ふし」とか
言ってそうですよね。私も言いたいです
_@_
途中からワケワカメですよ
自分で書いておきながらお恥ずかしい。
ところでワカメの味噌汁美味しいです
_@_
スポットライト嬉しいです
本当にいつもありがとうございます(唐突)

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