第9話

#9
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2026/04/01 15:21 更新
『いつ空いてる?』
柔太朗からのLINEに、少しだけ画面を見返す。
『金曜の夜なら』
そう返すと、すぐ既読がついて、
『じゃあその日ね』
それだけで決まるのが、なんか柔太朗っぽいと思った。


当日までのやりとりは、少しだけ増えた。
前よりちゃんと会話になってる時間があって、それだけで少し気分が軽くなる。
金曜日。
仕事を終えて、そのまま店に向かう。
あなた
なんでこんな悩んでんの....
朝から何回も服を選び直した自分を思い出して、小さくため息をつく。
ただ飲むだけ。
そう言い聞かせてるのに、いつもよりちゃんとしてるのは分かってる。
 



店に入って、個室に案内される。
先に座って、スマホを見る。
『ついた』
送ると、すぐに既読がつく。
あなた
すぐに来るでしょ
そう思って、テーブルの上のメニューをなんとなく開く。


5分
まだ来ない。
10分
ドアは開かないまま。
あなた
...遅いな
スマホを見るけど、連絡は来ていない。


30分
仕事、長引いてるのかな。
 
それとも、急に来れなくなったとか。



そう思った瞬間、少しだけ気持ちが下がる。
40分くらい経った頃。
コンコン、と軽くノックの音。
ドアが開く。
柔太朗
ごめん!遅れた
柔太朗だった。
 
少し息を切らしてて、髪も少し乱れてる。
 
あなた
どうしたの?
柔太朗
撮影押しちゃって
そう言いながら、向かいに座る。
あなた
連絡ぐらいしてよ
柔太朗
できるタイミングなかった
あなた
....まあ来たならいいけど
完全に許してる言い方になってるのが、ちょっと悔しい。
柔太朗
怒ってる?
あなた
別に
即答すると、少しだけ笑われる。
柔太朗
絶対ちょっと怒ってんじゃん
あなた
怒ってない
そう言いながらも、少しだけ視線を逸らす。
 
 
柔太朗が、じっとこっちを見る。
あなた
なに...?
柔太朗
いや、
柔太朗
今日なんか違くない?
あなた
どこが?
とりあえずそう返す。
柔太朗
なんていうか....
あなた
どゆこと...?
少し困る。
一瞬、視線がぶつかる。
柔太朗
かわいい、
あなた
....え
柔太朗
ほんとに
あなた
なにそれ
それだけ言って、メニューを開く。
なにそれ。
さっきまでの40分とか、全部どうでも良くなるくらい。
柔太朗
何食べたい?
直視できない。直視したら本当に好きになっちゃうから。

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