少しだけ迷ってから、口を開く。
自分でも、なんで今それを言おうとしてるのか分からない。
でも、前見た夢がずっと引っかかっていた。
思い出したみたいな声。
そう言うと、少しだけ間が空いた。
言ったあとで、少しだけ後悔する。
それだけ返して、缶を口に運ぶ。
あの子を振ってたとき。
あの子のことは好きじゃないということに安心した自分と、
じゃあ他に誰が好きなんだろうって考えた自分。
小さく納得する。
私柔太朗のことが大好きだったんだ。
少しして、立ち上がる。
自然に並んで歩き出す。
家の近くまで来て、足が止まる。
一瞬、言葉の意味を考える。
お互い小さく笑う。
そう言って手を上げる柔太朗に、
と頷いた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。