第26話

第二十四話 酷い隈
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2025/07/21 10:00 更新
今日、るいさんが死んだ
犯人は誰か分からない


 
お兄ちゃんは、るいさんが死ぬ間際にいたらしい
けど、詳しい事は一切話してくれなかった


 
もしかしたら、警察に事情聴取を受けたから
それで疲れたのかもしれない


 
家に着いてすぐ、お兄ちゃんは言った


 
天馬司
天馬司
 犯人を見つける 
 今度こそ、絶対に 


 
暗く、決意に満ちた顔だった
そんなお兄ちゃんを見てお母さんは言った


 
母親
 そんなの、危ないわ⋯ 
母親
 司、最近隈が酷いし 
 ゆっくり休んだ方が良いわよ 
天馬司
天馬司
 え⋯ 


 
そう、最近のお兄ちゃんは隈が酷い


 
本人は「ちゃんと寝てる」なんて言うけど
それはきっと心配させない為の嘘だ


 
天馬咲希
天馬咲希
 (ごめん、お兄ちゃん) 


 
心の中でそう呟いて、
少しでも罪悪感を減らすつもりだった


 
《その日の夜》
お兄ちゃんは一番に部屋へ行った


 
だから、アタシがお風呂から上がった頃には
既に寝ているはずだった


 
髪を乾かして、アタシも寝ようとした時
お兄ちゃんの部屋から何かを呟く声が聞こえた


 
興味本位だった
お兄ちゃんの部屋に寄り、中を覗いた


 
天馬司
天馬司
 類⋯⋯何で⋯⋯っ 
天馬司
天馬司
 冬弥も、寧々も、えむも⋯ 
 皆、いなく⋯なって⋯っ
天馬司
天馬司
 何で⋯何で、皆⋯⋯ 
 オレを、置いていくんだ⋯ 


 
今まで見た事が無かった兄の泣き顔
それも、あんなに弱々しい⋯


 
アタシは、なるべく音を立てないようにして
自分の部屋まで戻った


 
何とかアタシの部屋に着くと
部屋の電気が付いていなくて、真っ暗だった


 
その暗闇の中からアタシが殺した人たちが
じっとアタシの事を見つめているようだった


 
天馬咲希
天馬咲希
 ⋯⋯ごめん 
天馬咲希
天馬咲希
 なさい、ごめ⋯⋯なさ⋯⋯ 
天馬咲希
天馬咲希
 うううううう! 
 ああああああ! 


 
言葉が喉に詰まって上手く出てこない
代わりに涙が、嗚咽が、出て来た


 
ようやく、人を殺したという実感が湧いて
呼吸がどんどんと浅くなっていった


 
天馬咲希
天馬咲希
 っ──⋯ 
天馬司
天馬司
 息を吸うんだ 
天馬司
天馬司
 ゆっくり、ゆっくりで 
 大丈夫だから 


 
気づけば、お兄ちゃんが隣にいて
優しくアタシの背中をさすっていた


 
天馬司
天馬司
 聞こえるか? 
 オレの呼吸に合わせるんだ 
天馬司
天馬司
 すー、はー、すー、はー 
天馬咲希
天馬咲希
 っ⋯すー⋯⋯、はー⋯ 
天馬司
天馬司
 そうだ、よく出来てるぞ 


 
お兄ちゃんは、アタシが落ち着くまでずっと
優しい力でトントンと背中を叩いていた


 
こんなに優しい人を、アタシは傷つけたんだと
そう思うと、苦しかった


 
天馬咲希
天馬咲希
 ごえん⋯なざ⋯ 
天馬咲希
天馬咲希
 アタ⋯⋯アタシ⋯⋯ 
天馬司
天馬司
 ⋯⋯⋯ 


 
嗚咽するアタシの背中をさすったまま
お兄ちゃんは何にも言わなかった


 
《翌朝》
太陽が顔を見せ始めた頃
アタシも落ち着いてきて、涙も乾いてきていた


 
天馬司
天馬司
 もう大丈夫そうか? 
天馬咲希
天馬咲希
 ⋯うん 


 
小さく返事をすると、お兄ちゃんは安心して
柔らかい笑顔を浮かべて、頭を撫でた


 
天馬司
天馬司
 辛かったり、何かあったら 
 いつでもオレに言うんだぞ 
天馬司
天馬司
 お兄ちゃんが 
 味方になってやるからな 
天馬咲希
天馬咲希
 ⋯⋯ありがとう 


 
もし、人殺しなんてしてなかったら
ちゃんと貴方と話せたんだろうか


 
一晩中泣き続けていたから体は疲れきっていた
お兄ちゃんの目の隈も酷いままだった


 
次回.全部アタシのせい
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 あと一人でお気に入り100 
 達成だー!!( ˶>ᴗ<˶)


 
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