それからというもの、率先して 王様 は夜番を続けた。
もう、手の届く場所にいるし
いつでも捕まえることだって出来たのに
王様はそれどころじゃなかった。
いつしか、王様はその女性が愛おしく感じていた。
いつも深くマントをつけて
怪しく光るエメラルドのペンダントをつけた小柄な女性……
その女性のなんとも言えない魅力にどんどん 王様 は惹かれた。
ある日のこと、こんな夢をみた。
👩「じょんぐく、貴方はね 失敗した子なの
」
🐰「………え?」
👨「お父さんもお母さんも、病死した兄のような人が欲しかったんだ。」
👨「てっきり、兄がああいう出来だったから、お前もそうなるのかと思っていたんだよ……すまないね」
🐰「お父さん……?」
👨「やめてくれ。お前のお父さんだなんて、笑わせるな。」
そう言って僕の肩を押す お父さん。
僕は強く床にぶち当たった。
🐰「いッ!!」
声にならない痛み。
👩「お父さん……もうこれ以上は……」
この時の僕はお母さんが止めてくれて良かったと思っていたんだ。
次の台詞を聞くまでは
👩「 もうこの子と同じ空間にいたくないわ 」
僕が5歳の時の話だった。
next
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。