最近、朝がつらい。
布団の中で、目が覚めているのに、
身体が動かないことが増えてきた。
扉の向こうから、
ジョングクの声がする。
喉の奥からやっとのことで
絞り出した声は、
自分でも驚くほど弱々しかった。
陽が差し込む寝間の障子は、
優しい色をしている。
けれどその光さえ、
今の僕には重すぎた。
食事の支度をしようとしても、
匂いを感じた途端に、
胃が軋んで吐き気がこみ上げる。
茶碗に手を伸ばす手が震えて、
湯気が肌を刺すように感じる。
双子が、心配そうな顔で
僕を見ていた。
テリンは、優しく箸を
手に乗せてくれる。
ジョンウンは、
炊きたての白飯をほんの一口だけ、
僕の皿に盛ってくれた。
小さなその一口を口に運ぶまでに、
何度、息を整えたかわからない。
***
廊下の向こう、
ふと聞こえたジョンウンの声に、
僕は思わず足を止めた。
テリンの言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。
そんなつもりはなかった。
心配はかけたくなかった。
けれど、どんなに笑っても、
どんなに取り繕っても……
“気づかれている”。
足元がふらついた。
視界が一瞬、真っ白に染まる。
手すりに掴まり、
息を整える。
これ以上、
隠せないかもしれない……
けれど、あの子たちの前では、
どうしても“母親”でいたかった。
泣きそうになるのを堪えて、
縁側に腰を下ろす。
風が冷たく、でも心地よかった。
***
夕暮れ、
ジョングクが戻ってきた。
僕の隣にそっと腰を下ろし、
手を繋いでくる。
僕の指を、自分の掌で
包み込むようにして、
あたためてくれる。
そう言って、
僕の肩にそっと頭をのせてきた。
それが、
妙に疲れているように見えた。
少しだけ、間が空いた。
その言葉が、胸に深く刺さった。
彼も……気づいてる。
僕の異変に、僕以上に敏感に。
けれど、触れない。
その優しさが、
涙が出るほどつらかった。
***
その夜、また吐き気で目が覚めた。
静まり返った部屋、
月明かりが障子を透かしている。
吐き気を押さえ、
手を口に当てたまま
縁側へ出ると……
ジョングクも、
そこで風に当たっていた。
並んで座る。
お互いに、
互いの異変に触れないまま、
ただ、静かな風だけが
通り過ぎていった。
僕の問いに、
ジョングクは少しの間、
言葉を失ったようだった。
やがて、ぽつりと答えた。
それは、
祈りのような声だった。
そしてその声が、
何よりも僕を泣かせた。
정국이 오빠, 생일 축하해🎂🥰

















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。