(ひとらんらんは別行動です)
「はいストップ♪」
プシュー(紫のガスがゾムの居る場所に充満する)
「全く.......博士ったら悪趣味だよなぁ」
「分かる....何で覚せい剤とかを人に打ったりすんのかな」
「しかも何か新作の薬が出来たらしいぞ」
「うわぁ.......また何かエグいんだろうな」
「はい、君もな♪」
幹部
ちょっとして
「ハイル.グルッペン」
a国
「コラコラ、君だけうるさくしちゃって.......
せっかく口枷も着けたってのに」
「とりあえずそこのパーカーの子連れてくん
だけど、どいて?」
「ハァ~.......じゃあ君からね」
ガシ
「はぁ~い、では、お薬の時間で~す!」
トントンを台に拘束し、楽しげにそう敵は言う
トントンは本能で察知した、それは危険な物、と、必死にもがいて抵抗をする、
「大丈夫、大丈夫」
チクリとトントンの腕に細い針が刺さる、そして刺した数秒後
トントンの悲痛の叫びが部屋に響いてゆく
「ほぅほぅ、ちゃんと注射出来ましたね~、
ご褒美に口枷外してあげるからな♪」
カチャリと口枷が外れる
「はいはい♪次はコレな♪」
「大丈夫大丈夫♪ただの感情を消滅させる試作品の薬だよっ!」
数時間後_____
「偉い偉い♪じゃ、次はあの子___」
その後も、同じ様な悲鳴が続く
もう心も感情も上書き保存されたのさ
やっぱり記憶って儚いね
今君は君の手で君を殺そうとしているよ
ね、可哀想だよね
もう聞こえないか
もうただのロボットだったね
だが
君は君以外も殺すんだよ
大丈夫さ
上書きされたと言っただろう?
何も辛くないよ
その報告はすぐに幹部全体に伝わった、
仲間が戻って来たと言うものだから無理も無い
救護室
しんぺい神がゾムの袖をめくると、大量の注射跡や、恐らくその注射の影響で浮き出た青白い血管が見える
ゾムの目には誰も映らない、濁っていて....それでいて冷たくて.......どうでも良さそうな目だった
その瞬間、しんぺい神は胸に違和感を感じた、
冷たい.......そして
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いよ
床には赤い液体が滴る
グサ.......グシャッ、
っと言う音が何度も何度も部屋に響いている
しんぺい神の目に映っているのは満面の笑みのゾムだった、しんぺい神の血で赤く染まっているナイフを片手に、ゾムは手に着いた血を舐め、最後に
と言い、救護室から出て行った
歪んだ笑顔でゾムは首を傾げチーノに言う
ゾムは不満そうにチーノを見る
ゾムは異常なスピードで窓から柵などに飛び乗り何処かに行った
チーノは血まみれで出てきたゾムを思い出しすぐにしんぺい神の元へ行った
あれ?何を祈ってるの?
もう手遅れなんだよ?
可哀想だねぇ
知りたいとすら考えられない
ロボット
さよなら、本当の君よ
そして、初めまして
新しい君よ_
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。