諦めよう。忘れよう。
何度心の中で唱えても、梅原の想いが強すぎるのか何度も結ばれる糸。
日に日に頑丈になるそれを切るのは一苦労で、毎度自分の身を切り裂いているような感覚に襲われる。
今までは簡単に切れていたから余計に負担が大きいのかもしれない。
切っても結ばれる糸のせいで、江口と梅原の距離は近くなっていく。
江口は梅原を口説いているとも取れるような行動を取り、梅原はそれに振り回されてばかりだった。
嗚呼もういっそ、違う人と結ばれてくれれば_
いつも現場や廊下ですれ違う度にどこにも結ばれていない赤い糸を見て、内心安心していたくせに、今となっては誰か別の、江口に相応しい人と結ばれてくれたらいいと思ってしまう。
そうすれば自分なんかとは結ばれず、江口には幸せが訪れるのだと信じていた。
短くてすみません。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!