第2話

入学式
8
2026/02/24 11:37 更新
桜吹雪の中、長い脚で歩く姿はちょっとしたモデル体型。
だが表情は常に気持ち悪い不気味な笑み

学校の門が見えてきた。

新しい出会い。
新しい教室。
大量の教科書。

うす男は小さくため息をついた。
塩味うす男
塩味うす男
「……枝豆持ってくればよかった。」

アラームが鳴っている。

これは、私を起こしてくれる人がいない証明である。

私は朝からこんな事を考えてしまう。

鏡を見ると女がいる。

私である。

陽光が射すこの部屋で苦虫を噛み潰したような顔をしているのも私だけであろう。

制服に着替え、朝食を食べ、玄関で靴を選ぶ。
(なまえ)
あなた
「この靴はあいつのか…。」
昔仲の良かったやつの靴だ。
(なまえ)
あなた
「あいつ無くしたって焦ってたな…。
ふひっ。いい思い出だ。」
当たり前のように盗んだこの靴は結構お気に入りだ。

そのサイズの合わない靴を履き、学び舎の門を叩きに重い足を運ぶ。

桜が待っている。

この桜はあと少しで枯れてしまうだろう。

そんな事を考えながら歩いた初めての通学路。

学校に着いた時、初めて気がついた。

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