はるてぃー 視点
俺は膝を抱え、顔を伏せる。
ここは断崖絶壁。
下に落ちれば真っ暗で底があるとは思えないような空間に閉じ込められるだろう。
一言で言うならマイクラのジ・エンドだな。
という形で一旦別行動することにした。
そう呟きながら崖の縁を歩いていると、 怪盗P と 怪盗S が何やら話しているのが見えた。
俺は大声で呼び掛けながら近付く。
少し 怪盗P が後退る。
バキッ…
ふらっとよろめき、 怪盗P の体は宙に投げ出される。
その時、着けていた雑面がふわっと浮き、鋭い檸檬色の目が合う。
そのまま奈落へ真っ逆さまに…
落ちていくはずだった。
だが俺との距離は変わらない。
いや、違うな…
俺も落ちてるんだ
ビューッ…
落下したまま、重力を操ろうとするが、強風に煽られる。
必死に手を伸ばす 怪盗S の姿が見えたが勿論、それが届くわけも無く
小柄な紫色の声だけが崖の底に響いていた。
パッと目の前が明るくなる。
てかこのパターン多くね?
なんで毎回知らんところで目覚めるんだよ…
どこからか聞き覚えのある唸り声が聞こえてきた。
少し離れたところに、横たわった "怪盗P" 。
そして青拓高校の生徒会長でもある"ぺいんと"さんだ。
これで分かった、PKST団の正体が。
でも今はそれどころじゃ無い。
まずはここから出ないと…
俺は体を横に揺する。
自分の正体がバレたことを知っているのだろう。
しっかりと俺の名前を呼ぶ。
辺りを見回すと、とある住宅地に居た。
地面が無くなっていたことがあったぐらいだから普通に受け入れてたけど…
まさかあの崖の底が住宅地な訳無いもんな…
てか信じたくない、
グイッと手を引かれ、走り出す。
タッタッタッ…
そう言って門を通り抜けた途端…
ガラガラガラ…ガシャンッ!!
急いで音のする方を振り向くと、通ってきた門が閉じられていた。
閉じた鉄格子に手を触れると、
バチバチバチッと、電流が流れる。
門を閉じたのは俺らを気絶させ、美術館に閉じ込めて奈落を召喚した野郎だと概ね想像出来るけど…
全てにおいて意図が読めない。
2人で悩んでいると、空から1枚の紙がひらひらと落ちてくる。
地面に落ちた紙を拾い上げ、綺麗に4つに折られた紙を広げる。
俺らは2つの方向へ走り出した。




















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。