あれから数日。
高校を転校し、再婚相手の父親にも挨拶を交わし、
家がまあまあ片付いた所で初めての高校への登校へとなった。
ピロン、と友人からの電子文書の通知が、
来ていることに気がつく。
友人が寂しがるなんて滅多に無い。
私も悲しいよーーー、また今度文スト語ろうね、と、
手馴れた手つきでキーボードを打つ。
ドクンドクンと緊張して大きく脈打つ心臓を抑えながら
校門前で歩みを止める。
手に持っていた携帯を確りと持ち直す。
危うく目の前の光景に驚き、
携帯をそのまま落としてしまうところだった。
名前を口に出しては行けない。
ただ似ている人が校門前に立っているだけだろう。
イケメンな人間なんか幾らでもいて、
それで推しアニメの登場人物に出てくるやつに、
似てるなんてことは有り得るのだ。
そう!!!有り得ること!!!!
清々しくその人の隣を横切り、校門前を突破したとガッツポーズをしようとした所で声を掛けられる。
噂だとぉ!!!?噂になっているのかこの私が!!!いや転校生が噂になってんのか、もうッ自意識過剰なんだから!って……、
阿呆すぎるだろ!!!!
ていうか今アニメに出てくる人物に話しかけられてる私??
え??命日??
ニコリと向けられた笑顔が眩しすぎる。
よろしくお願いしますと同時に出された手はなんなのだろうか。私と握手を?触れていいんですか???
渋々、という感じに差し出された手に触れる。
やばい、触れてしまった。もうこの手は一生洗わないどこうかな。どうしよう。とりあえず行こう取り敢えず
そして私は条野さんへ一礼してから校舎内へとようやく足を踏み入れた。
🫠












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。