田中side
今日はしょっぴーに呼ばれて渡辺家にお邪魔。
玄関を開けるしょっぴーはすげえ笑顔で案外
大丈夫そうだななんて思ってたら
全然ダメそうで
「 あなた〜どこー? 」
田「 大阪いるんだろ? 」
「 樹連れてきて〜っ 」
の会話をさっきから繰り返している。
いつもより酔うペースもはええし…
田「 あなた家族と一緒なら安心じゃんか 」
「 康二のこと思い出すかもしんねぇんだよ… 」
田「 …なんで康二? 」
「 …あなたもともと大阪住んでて
そっからこっちきてふっかと仲良く
なったらしいんだけど、」
田「 おう 」
「 その大阪住んでた時に幼馴染みだったって
康二が言ってて、、 」
田「 んでそのことをあなたは忘れてんのか 」
「 そう…どーしよー、 」
田「 思い出すとなんかまずいの? 」
「 康二、あなたのこと好きなんだよ 」
田「 え、それ俺聞いていいやつ? 」
しょっぴーは酔っ払っているせいか
次から次へと結構暴露してくる。
「 もし思い出したら本格的にライバルが2人に
なるし俺あいつらに勝てる自信ねぇよ、、 」
田「 でもそうやって出会ってきた中で
あなたはしょっぴーを選んだんだろ? 」
「 …樹ってたまにいいこと言うよな 」
田「 どういうことだよ笑 」
しょっぴーってお化け屋敷とか以外割と
最強なイメージだったけど
こんな弱ることあるんだな笑
田「 そんな心配なら電話してみたら?
…ってもうしてんのか 」
「 …樹、、 あなた出ないんだけど 」
田「 家族でわいわいして気づいてないん
じゃないの? 」
「 だといいんだけどさー? 、、 」
田「 しょっぴー、今日俺泊まっていくよ 」
「 でも、、 」
田「 こんなままでほっとけねぇって 」
「 …ありがとうな 」
田「 いーえ 」
俺はしょっぴーの弱ってる写真を撮ると
あなたに送ってなるべく早く帰ってきてやれ
とだけ送っておいた。
翌日起きるとそのメッセージには既読のみだった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。