姫君…
陰陽師、といえば、朝廷や祈祷や祭祀を執り行う身分の高い役職だったはず。今の私は平民だからね
変わった雰囲気だよね。…普通に考えれば。
私の周りにはいっぱいいるからなぁ…
…それでいいのかな
重衡さんの眉間にしわが寄るのを見て慌てて話題を変える
…やな予感
やっぱり
嘘。戦場は慣れてる
……帰らなきゃなんだけど…
帰ったら解けるとかあるかな?
帰っても解けないってなったらちょっと困るか…
名案…?
振り向くと、頼朝さんが最高に悪い笑みをうかべていた
知ってるこの顔
何かおもちゃを見つけたり悪戯を思いついた時の顔…!
私の頭には真っ先にぶるーく様となかむ様とその色々な国
の面々が浮かぶ
嘘でしょ
ちょっと待ってよ…私…
……いや、素人ではないと思うけど…
それよりも、だ
……いや、別に、それくらいなら…
外交には慣れているとはいえ、それは国と国だ。国の情報とメリットとデメリットという情報がある。
でも今は“私”だ。
あなたの下の名前・あなたの名字として…ではなく、
“あなたの偽名”として、考えなければならない。
正体がバレにくい、そして後ろ盾ができる。呪力を集めやすい。代わりに彼らに条件を提示するというリスクと幕府の人達との関わりが出来てしまう。
正体がバレやすい、苦労が増えてしまう可能性がある。代わりに、自由に動けて、帰る情報を集める動きもしやすい。
帰る方法…町で過ごしているだけでは限られるだろう。
まだ、幕府の中なら情報も多いかもしれない。
動きにくいという点はあるが…
仕方ない
そう、私はWT国の幹部であり、メイドであり、友人であるのだから。
口では確かに様、と付けているけど、頭では付けない。仕えていないのだから。
でも、礼儀はしっかりしないとだからね
泰親さんは少し笑いながら、頼朝さんに向き直った
そう言うと、来た時と同じように悠々と去っていく泰親さんを見送る
…たしかに。明らかに人外だからね。
……まっ私は慣れてるけどね?
njsj国なんて見てみなよ。……人外だらけだもん。
玉藻がぱんと手を叩くと、一瞬、その姿が蜃気楼のように揺らいだ気がした。
頼朝さんを先頭に私達は歩き出した
……これから、どうなるかな。
同時刻__あなたの下の名前達と別れた泰親は、一人、京への道を歩んでいた。
美しい顔立ちと似つかわしくない口調の少年と、高貴な雰囲気の青年が闇の中から現れた
伊吹がにやりと笑い、華奢な手首につけていた腕輪をするりと外す
その姿形が揺らめいて……
……ここが鎌倉の中心、大倉御所、か…
…いい所だね。きりやん様が好きそう











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!