第12話

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2025/01/26 03:01 更新
泰親
陰陽師、安倍泰親あべのやすちか
泰親
途中から話は聞かせてもらってたよ。よろしくね!…狐憑きの姫君
姫君…
あなた
…よろしくお願い致します。それと泰親様。姫君、という呼び方はお辞め頂けると幸いです。私は平民ですので…
陰陽師、といえば、朝廷や祈祷や祭祀を執り行う身分の高い役職だったはず。今の私は平民だからね
玉藻
よろしくしなくていいそ。俺を殺生石に閉じ込めたのはこいつだ
玉藻
ついでに言うと俺に気に入られたお前の方が地位は上だ
あなた
あはは…そんなことないと思いますが…
あなた
陰陽師って、そんなことも出来るのですね
盛長
一応、天才って呼ばれてるからね。泰親殿は
景時
奇人変人の類としても名を馳せていますが
泰親
もりさんも、かげさんも、ひどいなあ
変わった雰囲気だよね。…普通に考えれば。

私の周りにはいっぱいいるからなぁ…
あなた
玉藻を使役するという案も、泰親様がいらっしゃったからこそ立てられた計画なのですね
頼朝
まあな。結果的には義経の襲撃によって崩れたが
泰親
でも皆さんが無事でよかったなあ。
提案はしたものの、玉藻を使役するなんて、ぜーんぜん自信なかったし
泰親
なにしろ殺生石の時だって退治できずに封じ込める程度が関の山だったからね!
…それでいいのかな
平重衡
泰親さん……あんた、そんないい加減な提案をしたんですか!?
泰親
怒らない怒らない。他に方法はなかったんだから仕方ないよね
重衡さんの眉間にしわが寄るのを見て慌てて話題を変える
あなた
…そういえば、先程、契りを解くのは無理だと仰ってましたよね。あれはどういうことですか?
泰親
だって、契りを結ぶ時よりも解く時に多くの呪力が必要だからね
玉藻
腐れ陰陽師の言う通りだ。悪いが……今の俺にその呪力は残っていない
あなた
…ふむ、そうですか。では、解けるようになればまたご連絡ください。私は鎌倉で薬屋を開く予定なので…
玉藻
こら、1人で決めるな。ちょっと話を聞け。
解きたければ、呪力を集めるのに協力してもらう
…やな予感
あなた
…協力とは、具体的に?
玉藻
先程のようにあやかしの呪力を吸い取って回る。力の強いあやかしであればより望ましいな
やっぱり
あなた
……私に出来る気がしないのですが
嘘。戦場は慣れてる
玉藻
困ったな。ならば一生このままか
……帰らなきゃなんだけど…
帰ったら解けるとかあるかな?
帰っても解けないってなったらちょっと困るか…
あなた
それは……
頼朝
だったら、俺に名案がある
名案…?
振り向くと、頼朝さんが最高に悪い笑みをうかべていた
知ってるこの顔


何かおもちゃを見つけたり悪戯を思いついた時の顔…!

私の頭には真っ先にぶるーく様となかむ様とその色々な国wrwrd、nju、らuei、njsj、etc…
の面々が浮かぶ
頼朝
鎌倉幕府がお前達を雇ってやろう
あなた
…幕府が……?
嘘でしょ
頼朝
ああ。義経は宣言通りいずれ兵を率いて攻めてくるだろう
頼朝
あなたの偽名、玉藻と契ったお前は、いざというときに義経の呪力に対抗する武器になる
玉藻
俺たちは俺たちで、義経側から呪力を集められるというわけか。悪くないな
ちょっと待ってよ…私…
景時
確かに理に適ってはいますね。使えるものは何でも使った方がいいですから
平重衡
えっ、冗談でしょう?こんな素人の女を戦に参戦させるつもりですか!?
……いや、素人ではないと思うけど…
それよりも、だ
盛長
んー、そうだなあ。あなたの偽名、君の意見はどう?
あなた
…もし、幕府に協力しなければどうなるのでしょうか?
頼朝
義経たちにとって、お前の存在は脅威になる。どの道、狙われることは避けれねえだろうな
玉藻
ふむ……。俺の呪力はだいぶあいつらに削がれている。まともにやり合えば勝てないな
……いや、別に、それくらいなら…
頼朝
幕府の味方になるなら、当然、義経や鞍馬を弱らせることにも力を貸す
外交には慣れているとはいえ、それは国と国だ。国の情報とメリットとデメリットという情報がある。
でも今は“私”だ。
あなたの下の名前・あなたの名字として…ではなく、
“あなたの偽名”として、考えなければならない。

正体がバレにくい、そして後ろ盾ができる。呪力を集めやすい。代わりに彼ら頼朝さんたちに条件を提示するというリスクと幕府の人達との関わりが出来てしまう。

正体がバレやすい、苦労が増えてしまう可能性がある。代わりに、自由に動けて、帰る情報を集める動きもしやすい。

帰る方法…町で過ごしているだけでは限られるだろう。
まだ、幕府の中なら情報も多いかもしれない。
動きにくいという点はあるが…
仕方ない
あなた
……分かりました
平重衡
はあ!?分かったって、君ね……!
泰親
いやあ、勇敢な人もいたものだなあ
あなた
…ただただ命を狙われて、のらりくらりと何とか躱すよりも、後ろ盾がある方が私たち的には安全でしょうから。
あなた
それに、呪力を集めるにも丁度いいですしね
あなた
ただ、1つ。条件があるのです
平重衡
は……条件?あんた、どこまで命知らずなわけ!?
頼朝
ふむ…俺に条件を提示するとはな。面白い。よい、言ってみろ
あなた
…………私は、幕府に“協力”はしますが、“仕え”は出来ません
頼朝
……ほう?
あなた
確かに幕府にいる間はある程度の命令や指示も聞きましょう。けれど完全に忠誠を誓うことはできません。
頼朝
何故だ?
あなた
……頼朝様だって、皆様だって、
あなた
“主”という存在が2つある者の忠誠を、信用出来ないのでは?
平重衡
盛長
頼朝
……つまり、お前には既に仕えている主が居ると?
あなた
左様でございます
そう、私はWT国彼らの幹部であり、メイドであり、友人であるのだから。

口では確かに様、と付けているけど、頭では付けない。仕えていないのだから。
でも、礼儀はしっかりしないとだからね
泰親
へえ…狐憑きの姫君がどんな人に仕えているかは知りたいところだけど…
あなた
…申し訳ありません。情報を流すのは
泰親
駄目だよね。知ってるよ。
頼朝
…面白い。いいだろう。その条件、飲んでやろう
泰親さんは少し笑いながら、頼朝さんに向き直った
泰親
面白いものを見せてくれたところで…じゃ、俺は京に戻らせてもらいますよ。今夜の顛末を報告しなきゃいけないので
頼朝
好きにしろ。また何かあれば呼ぶ。
泰親
ええ、いつでもどうぞ。あなたの偽名さん、君もまたねー
あなた
…ええ。またの機会がございましたら、よろしくお願いします
泰親
硬いな〜もっと気を緩くしてもいいのに
あなた
恐れ多いですから
泰親
そっか。
そう言うと、来た時と同じように悠々と去っていく泰親さんを見送る
頼朝
じゃ、俺達も御所に戻るか……と言いたいところだか。玉藻、お前の姿はちょっと目立ちすぎるな
…たしかに。明らかに人外だからね。

……まっ私は慣れてるけどね?
njsj国なんて見てみなよ。……人外だらけだもん。
玉藻
ああ…………それなら問題ない。しばし待て
玉藻がぱんと手を叩くと、一瞬、その姿が蜃気楼のように揺らいだ気がした。
玉藻
これでよかろう
あなた
…耳もしっぽも、無くなりましたね
景時
器用なものですね。人間に化けて悪事を繰り返して来ただけあります
盛長
まあまあ、それなら皆に怪しまれないね。___それじゃ、さっそく
頼朝さんを先頭に私達は歩き出した
……これから、どうなるかな。
同時刻__あなたの下の名前達と別れた泰親は、一人、京への道を歩んでいた。
泰親
頼朝様もここで終わりかと思ったけど、予想外の展開になったな
泰親
狐憑きの姫君、か。果たして宿命をどう変えられるか……お手並み拝見と言ったところだね
何も変えられやしねえだろうよ。なあ?顕二
顕二
さあどうだろう?俺はまだあの子を知らないからね。
泰親
顕二様、伊吹
美しい顔立ちと似つかわしくない口調の少年と、高貴な雰囲気の青年が闇の中から現れた
伊吹
ああいう女は嬲りがいがある。近づきになりたいものだがな
泰親
君の趣味の話にはあんまり興味ないんだけどなあ
伊吹
可愛くねえこと言うなよ、泰親
顕二
まあとにかく。幕府も反乱軍も倒れなかったということは……
顕二
俺たちはまだ災厄と踊らなければならないらしい
顕二
狐憑きの子も、いい踊り手になれるといいね
伊吹
させるのさ
伊吹がにやりと笑い、華奢な手首につけていた腕輪をするりと外す
その姿形が揺らめいて……
伊吹
そうだろ?かつての上皇___崇徳院顕二すとくいあきひと
伊吹
この酒天童子が唯一契った、愛しい愛しい呪いの王よ
泰親
御伽草子なら鬼退治される側だろうねえ、俺達は
顕二
だからこそ悪として笑い続けるさ
顕二
さあ行こう、二人とも。呪いを振りまきに
……ここが鎌倉の中心、大倉御所、か…
…いい所だね。きりやん様が好きそう
あなた
立派な建物ですね
平重衡
当たり前だよ。征夷大将軍の住まいとまつりごとを執り行う場を兼ねてるんだからね

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