第13話

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2025/01/31 16:04 更新
家臣
頼朝様!一体、どこに行かれていたのですか?急なご用事と伺いましたが……
家臣らしき人達が数人、門から走り出してきて、頼朝さんを囲い込んだ
慕われてるなぁ
頼朝
心配をかけて悪かったね。だが、万事つつがなく済んだよ
頼朝
皆を信頼しているからこそ、私は、こうして御所を離れることが出来た。感謝するよ
家臣
もったいないお言葉です!
あなた
…こわ
ほんとに、きんとき様とか…そちら系だな…
盛長
あはは!あなたの偽名、心の声が漏れてるよ?けど、俺達以外の前での頼朝様はいつもあんな感じだよ
あなた
…そうですか。確かに民に慕われているのも納得です
猫かぶりが凄いなぁ
すると景時さんが一歩進み出て、じろりと家臣さん達を睨んだ
景時
まるで甘味に群がる蟻のようですね。ですが、そろそろ巣に戻っては?
景時
頼朝様は少々お疲れなので、蟻退治をしている暇がありません
わぁ毒舌。
家臣
……!これは気づかずに失礼致しました!ごゆっくりとおやすみなさいませ
雷に打たれたように家臣さん達がのけぞり、深々と一礼して立ち去っていく
景時さんは家臣さんたちから怖がられてるのかな?
圧のかけ方上手だからなぁ
頼朝
景時、ご苦労。これで静かになったな
あっ戻った。
私に向き直った頼朝さんは、不敵な笑みを取り戻していた
頼朝
これからお前はここで暮らす。
綺麗な衣も贅沢な食も、お前が望むならいくらでも用意してやる
いや別に要らない…
あっでも、なかむ様たちを、思い出せる様なデザインのものがあったら欲しいかも

そんなことを考えていると、すっと頼朝さんの手が私の顔に伸びて、品定めをするかのように私の顎をすくい上げる
頼朝
ただし___狐憑き、お前は今日から俺のものだ
その言葉を聞いて、その手から逃れるように顔を背ける
あなた
話が違いますよ。私は貴方の所有物にはなれません。
頼朝
…ちっ、つれねえなぁ。分かってるさ。“ここにいる間は”だ
あなた
…そうですか。
平重衡
……覚悟がないならやめておいた方がいいんじゃない?
景時
大丈夫ですよ、重衡。足でまといになるようなら切り捨てればいいだけの話ですから
あなた
……それなら、皆様の武器が1つ減りますね?…呪力に対抗する術を、御自身の手で手放すということですから
景時
っ…
平重衡
…なに、あんた
あなた
…ふふっなんて、言ってみたりします。私は大丈夫ですよ。重衡様。
平重衡
あんたの心配なんてしてないよ
盛長
はいはい。みんな、好き勝手言わないの
盛長さんがにこやかな顔のまま、重衡さんと景時さんの頭を鷲掴みにする
平重衡
……っ
景時
……っ
ごちん、と鈍い音が響き、互いの額をぶつけられた二人が顔を顰めた
痛そう…
景時
っ、盛長、あなた……
平重衡
う………何すんですか!盛長さん
盛長
あなたの偽名、こいつらのことは気にしなくていいからね
あなた
…そういう訳にはいきませんので…
盛長さんは母親みたいなポジションだなぁ…優しいというかまとめるのが上手いというか…きりやん様とはまたちょっと違った雰囲気だけど…
景時さんが最初に言ってた「ゆるふわ」って言葉も納得しちゃうくらいふわふわとしてる
玉藻
どうやら……楽しい暮らしになりそうだな?あなたの偽名
あなた
…そうですか?私には前途多難に見えますが
私がメイドとしてWT国に入った時よりかはマシとして大分ね?
鎌倉幕府のために、玉藻のために、というのは正直前置きとして、…帰るために、私は義経さん達と戦うことになる。烏天狗の鞍馬さん、鎌使いであろう弁慶さんに弓使いの与一さん。そして刀を使う義経さん。
……もしかしたら、敵はそれだけでは無いかもしれない。
戦には、嫌なことに慣れている。
……人を殺めることだって、大切な人を、大切なものを脅かすならば。
決めたなら、やり遂げる。
そして___自分の帰るべき場所に、在るべき場所に、…居場所に、帰る。
あなた
…よろしくお願いします。皆様
___だけど、私は間もなく知ることになる。






波乱の中での情によって、私の新しい、第二の居場所が出来るということを。






_______________プロローグ。[完]






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