面倒は起こさないって言ったけど起こしちゃったから自分で解決しようと思ったのに…
…守って、くれるんだ
堂々と歩み寄ってきた重衡さんが、私と直家さんの間に割って入る
昨日は冷たく凍っていた瞳の奥に、今はかすかな火がちらついていた
…重衡さん、怒ってる…?
“様”をわざと強調し直家さんが肩をそびやかす
…ちょーっとだけなら口を挟んでもいいかな?
……礼儀がなってない人は、苦手なんだよね
どれだけ女性同士の皮肉を掻い潜ってきたと思ってるの?
幹部様方関係で泥沼に突き落とされた回数なんていちいち数えてられないくらいだったからね。……後悔はしてないけど。
この程度の皮肉なら日常茶飯事。
少し言い返されただけで顔を真っ赤にして殴りかかってきそうだった直家さんを目で牽制しながら重衡さんはご最もな言葉を放つ
小さく呟き、ぴくりとも表情を動かさない重衡さんの白哲の美貌を見つめる
…平、は平家のことか
平家と源氏はかつて大きな戦をしたのだと聞いた
___天下を二分するほどの戦いの末、頼朝さんが率いる源氏が平家を下した。
だからなんだと言うのだ
寝返るなんて政治面で多種多様な理由であるだろうに
…真逆、知らないのかな
…あはは。皮肉に対して随分直球に返すなぁ…まぁそれがこの時代の正解か
こんな軽い挑発にも乗るなんてね
……へぇ?意外。
殺気立つ周りの武士達を、かろうじて冷静さを保っていた直家さんが止めた。
なんでそこで私を出すの……
……は〜…イライラする。
自国ならとっくに捕まってるのに
こっちには不敬罪ってものがあってね?
いっその事女に負かせられる屈辱を味わってもらおうかな
重衡さんの右手が鞘に触れ、かちりと僅かな音が響く











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。