前の話
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ここは、私立東地区中等・高等学校
この学校では七不思議や怪談、噂話がとても人気であり、学校では日々絶え間なくそんな話がされているようだ。
そして、その七不思議や怪談などを検証しようとする輩が居るのはまた然り__________
彼はそう言った。
彼の名前は如月零、中学2年生・B組である。
この学校では色んな異能力者がおり、彼も例外ではない。
彼の能力はまだ誰一人として明かされていないが
きっとその能力はいつかどこかで"開花"するであろう
また誰がそう言う
彼の名前は紅井瞬、中学二年生・C組である
彼は少し周りとは異なる種族、異族と呼ばれるものであり
彼はその異族の一種、捕食種である
彼自体は自分が捕食種であることが嫌で隠しているのだが
彼ともう一人の人にはこのことを公開しているようだ。
少し面倒くさそうにしている彼の名前は白﨑風斗
中学二年生・B組である
この三人の中での常識人であり、頭もそこそこ良い。
そして彼には紅井と同じ様に秘密があり
彼は超能力者である。
この学校には異能力者がたくさん居るが、
何故か超能力者だけは存在を否定されているらしい。
この学校では楽しく暮らすために
超能力者と言うことを隠して居るらしい。
紅井同様、この秘密はほか二人も知っている
流星群の樹木の検証手順はこうだ
①夜中、学校の中を通って西校門を使い、裏山の頂上に登る
②登ったその裏山の山頂では夜中にしか現れない大樹を探す
③その大樹に何人でもいいが、必ず二人以上の大切な人と手を握りながら木に触れる
④そうすると樹木が光り、頭に謎の声が響いてその謎の声に従うと願いを叶えてくれる。
白﨑は少し微笑んではそう彼に言い返す。
そうだ、性別なんて関係ない、一緒に行く人が大事なのだ。
ご飯を食べるときだってそうだ。
何を食べるかじゃない、誰と食べるかだ。
大切なのは"お互いに想い合う人同士"だ。
そんな雑談をしながら彼らは山へと登るのであった_____
あれからどれくらい経ったのだろう
周りはまだ暗く、夜空に浮かぶ星が光り輝いている。
かれこれ1時間は登っただろう、そろそろついてもおかしくはないはずだが………
彼は疲れて重い体を紅井の背中に寄らせ、
おんぶしてもらおうとする
もちろん、紅井も疲れているためそれを拒否しようとするが
彼は無論、嫌だと言うだろう
そんな雑談を繰り返している間に、三人は山頂についた。
山頂につくと一目でわかった。
昼にはなかった、
星空を背景にし、キラキラと輝いている樹木がそこにはあった。
三人はとても興奮していた
探し求めていたものがついに見つかるほど、嬉しいことはない
各々が色々と感じている中、如月は駆け出していた
如月は大きな樹木に触れてはとても感動しているようだ。
他の二人も如月が樹木に触れると
自分達も近づこうと顔を合わせ、如月に近づいていった。
如月が振り向き、二人を手招くと早く来てほしいそうに待っていて
そうだ、彼らはこの樹木を見に来ただけではない。
彼らは七不思議が本当か検証をしにきたのだ。
彼らは改まったようにすると山に登る前に確認した手順をしていく
彼らは手を繋ぐ
彼らは見つめ合う
ゆっくり、ゆっくりと樹木に手を近づける
ここに居る者達は緊張しているであろう
三人とも自分の心臓がドクドクと鼓動するのが
よく聞こえるだろう
そうして、三人は大きな樹木に触れる
数秒後、さっきとは比べ物にならないほど樹木が神々しく光りだす。
そうして、彼らの頭には謎の声が響きだす。
少し幼そうな、そんな声が聞こえる
三人はやはり女の声だと聞こえる
そしてその謎の声は少し低くうぅんと怒ったような声を出して三人にこう言う
三人は驚いたような顔をして顔を合わせる
そしてさらに謎の声は三人に語りかける
三人に緊張が走る
しかし、謎の声は答えないのに対して何か少し不思議を感じているようだ
三人は驚く
だって願いが何回も叶えられるはずがないと思っていたからだ。
何回も叶えられてしまえばきっと悪事等に
活用されてしまうとそこは考えられていると思ったから
しかし、きっと彼らには問題がないだろう。
彼らが叶えたいのは自分の夢だ。
白﨑は自分の存在が認められる世界に_____
紅井は差別がない世界に___________
そして如月は________________
"過去に約束したあの娘に会いたい"______
各々、しっかりとした願いがあるのだ
そして彼らは一息の飲み、一人ずつ願いを叶えていく
そうして、白﨑と紅井は眩しい光に包まれる
如月はその二人を見守っているようで
二人が望む世界が出来るのを虎視眈々と待っているようだ
そして、眩しい光が徐々に消えていく
しかし、そこには______________
紅 井 と 白 﨑 は 居 な か っ た
如月はもちろん困惑する
彼は二人をどこへやったと謎の声に怒鳴りつける
如月は絶望していた
小さく震えていた
大切な二人がいなくなってしまったからだ
そんな絶望している如月を気にしないように
謎の声はそのまま語りかける
如月は思考する
ずっと約束していたあの娘に会えない
どうにかして会えないのか考えていた
願いは取り消せない
ならばどうするか
考えはある。しかし、それはどうなのだろうか
彼はよく考える
この願いはしてもいいものなのか
この願いをして、この先の未来はどうなってしまうんだろうか
彼は思考する
そして数分後、悩みに悩んだ結果
"その願い"を叶えることにした
謎の声は少し黙った後、何か納得したようにそう言う
しかし、謎の声は一つひっかかることがあるようだ
如月が言いたいことは謎の声にはわからないようだ
そして、謎の声は如月の願いを叶えるために
大きな樹木に手をかざす
そうすると、大きな樹木が神々しく光りだす。
数秒後、徐々に光が消えて行くと謎のポータルが二つ見え始めるだろう。
それは紅井の世界、そして白﨑の世界を繋ぐポータルだ。
如月はそのポータルを見ると一つ質問をする
如月は歓喜する
また三人で会えるのだから
そして、如月は決心する
また三人で会うために
また三人で楽しく笑える生活を取り戻すために
彼は、全ての七不思議を解決すると
心に刻んだのである_____________
如月は混乱する
だって、七不思議の奴が七不思議の解決に協力する?
意味がわからない
しかも、七不思議はリセットされるらしい
本当に意味がわからない
しかし、彼にとっては好都合だろう
だって自分の願いに協力してくれるのだから
如月はフフっと小さく笑う
謎の声は顔は見えないが、何か小さく笑い声が聞こえる。
きっと謎の声も嬉しいのだろう
そして、一方二人は_____________
第壱話・完_________________
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。