ふーちゃんの泣き顔を見たその時に、
わたしは気づいてしまった。
わたし、、、、
ふーちゃんの事が
好きなんだって。
ずっと感じてきたこの後ろめたさや
胸がギューッと苦しくなるのも。
ふーちゃんに
恋しているからなんだ。
でて行ってしまったふーちゃんを
追いかけることなんて
出来るはずもなく
ただ、呆然としてた。
なんで??
なんで、ふーちゃん。
出て行っちゃったの??
ネックレスが、、
ちぎれてしまったから??
わたしに
何かを気づかれたと
思ったから??
何となく、
そのまま、塾を出た。
まだ塾の授業は、
終わったわけじゃなくて、
通りかかった講師室の前で、
国語担当の先生に、呼び止められたけど
具合が悪いと下を向いたら、
あっさり、
早退を許してくれた。
塾から出ると
雨上がりの夕焼け。
霞んだオレンジ色。
建物の隙間から差し込む夕陽が
真っ直ぐに目をさしてくる。。
やっぱり、
恋をしている。
わたし、
ふーちゃんが好きなんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!