「ロウはあなたとデートとかしないん?」
「おぉ…急だな…」
あんな話の後にぶち込まれた恋バナ
デートって言ってもな…
「ロウきゅん、そんなに考えずにさ〜
2人で出掛けたこと、ない?」
「…ない、な」
えっ…?!と言わんばかりに目を見開く2人
「そんなにか?」
「えぇ…あ、そっかそうだお前らだもん」
困惑していたウェンが秒で納得
「俺らって?」
「拗らせすぎ…って話やんなぁ」
重すぎる恋をしてきたマナに言われても
説得力がない
「…いや、あるわ」
「うそ!いつ?」
「任務」
一緒になることが少なかったから忘れていたが
任務だってれっきとした出掛けることだ
「はぁ…ロウきゅんさ…」
「あなた誘いなさいな!!」
「何に?」
「デートに決まってんじゃん!」
「はぁ?俺があなたを…?!無理無理無理」
断られたら引きこもるわ
「なんかイベントでも誘えば…ってそうだ!
星、見てくれば?」
「星…?」
「丁度僕プラネタリウムのチケット持ってるし
そろそろ流星群でしょ?
隣町、綺麗みたいだよ」
星…か。
あなた好きかな
…好きそうだな
「…誘ってみるわ」
「おっ!ロウきゅんいいねぇ男前〜」
「ロウきゅんいうな!!」
「きゃ〜青春やんかそんなの!」
「提案したのお前らだぞ」
収拾のつかないリビングで
すやすや眠っているあなたを見つめる
儚げなその顔は
今にも飛んでいってしまいそうで
…頭、床じゃ痛そうだし
なんて1人で言い訳をして
あなたを自分の膝の上にのせる
…軽すぎね?大丈夫かよ…
頭がクラクラするのは
きっとアルコールのせいじゃない
そのまま泥のように眠った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。