君に出会わなければ良かった。
何度そう思ったことだろう。
君に微笑まなければ良かった。
何度そう後悔したことだろう。
君に心を奪われなければよかった
何度、そう嘆いたことだろうか。
君の顔、声、全てに俺の心は奪われた。
どうして俺なんかに近づいた?
どうして俺なんかに微笑んだ?
どうして俺なんかに恋をした?
どうして俺なんかに涙を流す?
あの日あの場所で君に出会わなければ、君も俺も苦しまずにいられたのに。
『最初から君を好きにならなきゃ良かった』
そう告げた時の君の顔。
なぜ微笑む?なぜ俺の身勝手な言い分を許す?
君のその優しさが俺の心をさらにきつく締め上げた
あぁ、俺は弱虫だ。
クラスのやつらに冷やかされるのが嫌で、君を突き放した。
今だって、俺たちの様子を影から見てる。
言いたい、言ってしまいたい!!!!
嘘だと、君を好きじゃないなんて嘘なんだと。
俺の手から、君の温もりがすり抜けていく…
行かないでくれ俺を置いて、行かないでくれ。
抱きしめたい。君を抱きしめて泣きながら言いたい。
『愛してる』と…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。