暑すぎてバテそうな私たちはスーパーヘブンでアイスを買った。
そう言って篤からアイスを奪うと、自分のアイスと交換した。
篤は優しいからそんな悟に笑顔で交換してあげている。
私が買ったのはグレープのアイス。
よくあるじゃん?
買った後に他の人の見て、別のが欲しくなるやつ!
その感情が芽生えて、私はちょっとだけ後悔していた。
アイスを食べながらわちゃわちゃして、暴れて、結局暑くなって。
それでも私たちは楽しかったんだ。
突然話しかけてきたこのおばさんはなぜかいきなり私たちを軽蔑するような目で見ながら話を続けた。
おばさんは篤を慶明生だって思ってるみたいで、私たちを加害者みたいに扱う。
そう言って立ち去るおばさん。
私たちは意味が分からなくて、戸惑っていた。
@秘密基地
たしかに私も知らなかった事実。
だけど、そんなこと"篤を好き"って気持ちとは関係ない。
ハンモックから降りて三平さんは篤に問いかけた。
篤は今まで話してこなかった前の学校のことを話し始めた。
クラスの留年しそうな人に脅されてカンニングをさせてあげた事。
学校の先生に信じてもらえなくて転校した事。
全て包み隠さず教えてくれたんだ。
ソファの後ろからギュッて篤を抱きしめた私の腕にそっと触れて、篤は小さくうなづいた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。