鈴花が本棚の本に触れた瞬間、
ザザザザっと雪崩がおきて、
たくさんの本が落ちてきた。
そしてその内のいくつかは鈴花の頭にヒット。
鈴花の目の前には、アルバムと日記が落ちていた。
きっと鈴花の頭に当たったものだろう。
日記には昔の鈴花の字でありそうな、
幼いような少し歪んでる字で、
今日は○○をした、〜〜をした、など、
たくさんのことが書いてあった。
そしてアルバムには、色々なところで
楽しそうに笑っている鈴花の姿がある。
その姿は、今の鈴華と重なって見えた。
鈴花の口から、ぽつりと言葉が吐き出された。
鈴華は鈴花の横に来てアルバムを見始めた。
鈴花が拒否する前に
鈴華は階段を降りていってしまった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。