第40話

40.
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2025/12/08 05:06 更新





第三回生存者発表式





デビューコンセプトバトルが終わって、始まった少しの休暇。


久しぶりに会いたい人がいて、街の小さなカフェに向かった。


扉を開けた瞬間、すぐに気づいて手を振ってくれる。


その笑顔があの時と全然変わってなくて、安心したような、胸の奥がきゅっとなるような、不思議な気持ちになった。




 ︎︎
リンオンニ、おまたせ
 ︎︎
待ってないよ全然
 ︎︎
会えてうれしいよㅎㅎ





オンニは会うや否や、私の今までのステージを事細かに話し始めて、


ステージをした私より詳しくて、熱量がすごくて、


思わず笑ってしまった。





 ︎︎
オンニと今日会ったのはね、
 ︎︎
話したいことがあるんだ











次できっと脱落すると思っていること、


夢を追うのはここで終わりにするつもりなこと、


もしかしたらもう会えないかもしれなくなること、




そして、リンオンニは夢を追い続けてほしいこと。





全部話す間、オンニは口をはさむこともせず、ただ静かに聞いてくれていた。












夜、長く過ごしたこの部屋をあの日と同じ状態に戻した。




始めてこの部屋に入った、


オンニが手伝ってくれて部屋ができた、


ゴヌさんが訪ねてきてくれた、



あの日。



それだけじゃなくて、この部屋には、


私が歩んだ毎日が残されてた。





クローゼットには制服だけが静かに掛けられている。



誰にも「君は落ちるよ」なんて言われてないのに、妙に確信してしまう。

昔から嫌な予感だけは当たるから。




残りたい気持ちはもちろんあるのに、


ここでデビューすることは現実的じゃないって、


最初からどこか感じていた。





苦しさをかき消すように、布団にもぐって今日の思い出を振り返る。




私が、伝えたかったことを全部伝えきった時、


オンニは少し悔しそうに口を開いた。




 ︎︎
『私もね、話したいことがあって、』
 ︎︎
『あなた、私の事務所に来ない?』


 ︎︎
『って、もうこんな話今更か、ㅎ』


オンニの事務所では、すでにオンニを中心にグループをローンチしていると聞かされた。


このオーディションを通して、事務所側も、もちろんオンニも、

私をチームに入れたいと考えてくれていたそうだった。




できることなら、私もオンニとデビューしたい。





何度も考えて辿り着いた決心を


いまさら変えることは、









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