第三回生存者発表式
デビューコンセプトバトルが終わって、始まった少しの休暇。
久しぶりに会いたい人がいて、街の小さなカフェに向かった。
扉を開けた瞬間、すぐに気づいて手を振ってくれる。
その笑顔があの時と全然変わってなくて、安心したような、胸の奥がきゅっとなるような、不思議な気持ちになった。
オンニは会うや否や、私の今までのステージを事細かに話し始めて、
ステージをした私より詳しくて、熱量がすごくて、
思わず笑ってしまった。
次できっと脱落すると思っていること、
夢を追うのはここで終わりにするつもりなこと、
もしかしたらもう会えないかもしれなくなること、
そして、リンオンニは夢を追い続けてほしいこと。
全部話す間、オンニは口をはさむこともせず、ただ静かに聞いてくれていた。
夜、長く過ごしたこの部屋をあの日と同じ状態に戻した。
始めてこの部屋に入った、
オンニが手伝ってくれて部屋ができた、
ゴヌさんが訪ねてきてくれた、
あの日。
それだけじゃなくて、この部屋には、
私が歩んだ毎日が残されてた。
クローゼットには制服だけが静かに掛けられている。
誰にも「君は落ちるよ」なんて言われてないのに、妙に確信してしまう。
昔から嫌な予感だけは当たるから。
残りたい気持ちはもちろんあるのに、
ここでデビューすることは現実的じゃないって、
最初からどこか感じていた。
苦しさをかき消すように、布団にもぐって今日の思い出を振り返る。
私が、伝えたかったことを全部伝えきった時、
オンニは少し悔しそうに口を開いた。
オンニの事務所では、すでにオンニを中心にグループをローンチしていると聞かされた。
このオーディションを通して、事務所側も、もちろんオンニも、
私をチームに入れたいと考えてくれていたそうだった。
できることなら、私もオンニとデビューしたい。
何度も考えて辿り着いた決心を
いまさら変えることは、












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。