和香のことを見てなくても、手紙を書いてる時に泣いていたことが分かった。手紙の一部がポツポツ濡れていた。私が悪いのに、なんで、和香がこんなことを言うのかが分からなかった。交通事故から、帰って来た時は、なんも言えなかっただけなのに。なんで、和香が私の人生生きたいって、思うのかが分からなかった。私なんかより、和香の人生の方が絶対に良かったと思うのに。
そしたら、和香がもう一枚の手紙を持ってきた。
「来世では、もう一度美香と双子で生まれて、私が美香のことを絶対守るからね」
そう言って、和香は、帰って行った。
美香へ
美香、ごめんね
手紙書いたら、美香に読んでもらえた気がして、もう一度書いてみたんだ。読んで欲しいな。
美香、私、本当のこと言うね。
私、みんなに褒められたくなかったんだよ。
「和香ちゃん、凄いね」
つて、よく、近所の人とか、先生とか、同級生とか、家族とか、言ってくれるの嬉しかった。嬉しい気持ちは、事実なんだけどね。プレッシャーかかって、テストで100点取った時に褒められて、
「次も頑張って!」
って、言われると、次、100点取れなかったら、どうしたよう、って、プレッシャーになってた。別に美香が褒められないから、とかじゃないよ。美香が私に
「ここを教えて!」
って、言って来てくれなくなると思って、嫌だった。私ばっかで、美香が嫌だって思って、嫉妬して、私のところに来てくれなくなると思った。
でも、美香は、毎日のように来てくれた。
「和香、分かんない」
「和香、教えて!」
嬉しかった。私の生きがいになってた。私が美香だったら、絶対に私に近づかないって、思う。嫉妬するから。自慢してくると思った。自分が傷つくだけだと思って、怖くなるから。なのに、それにも関わらず、美香は、当たり前のように毎日来てくれた。本当にありがとう。美香もきっと、私が褒められてるのが嫌だったと思う。私の褒める話しばっかで。本当にごめんね。交通事故で帰ってきてから、泣いてる時に励ましてくれたのは、美香なのに。どっちかが死ぬなら、私が死ぬべきだったんだよ。美香は、死ぬ必要なんて、なかったんだよ。本当にごめんね。私が迷惑ばっかりかけて。たまには、美香に迷惑かけてもらいたかった。美香は、一人で我慢ばっかして、悩み全然聞いたことなかった。本当は、聞きたかった。でも、私が美香の話しをせずに私ばっかり話しを聞いてもらってた私も悪いんだけどね。来世は、絶対に聞かせてね。美香の話し聞くから。私の話しは、来世は、聞かなくていいから。来世は、死なせないように頑張るからね。美香、私が守りきれなくて、死なせちゃって、本当にごめんね。
和香













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。