デルキラ様とサリバンさん……?
なんで寝てるんだっけ
たしか今日は暑い南の地方の国の調査で
水質と水量の測定だった気がする
サリバンさんが「南国は水が〜〜〜〜」って言ってたのを覚えてる
暑い日差しの中、帽子もかぶらずに長いこといたせいか
生憎今までただのOLだったため体力はミジンコレベルで
この暑さの中で熱中症を起こしたのかもしれない
足がおぼつかないし妙味めまいがある
フラフラと歩いていのがわかる
倒れるっ……
咄嗟に目をつぶる
でも顔の目の前に現れたのは痛みではなくて
力強いポロちゃんのお腹だった
熱中症って概念が魔界には無いのか……
ポロちゃんは私のことを普通の悪魔だと思っているし
このくらいでへばるわけないと思っているのだろう
それもそうだ、普通の悪魔ならこのくらいの暑さなど余裕
フラフラとした足取りで三人を追う
ポロちゃんは邪魔者の私が居なくなったからか心做しか楽しそうにデルキラ様と話してる
きっと二人は気づかない
サリバンさんは気づいてくれるかな
ズキンッ……
ズキンッ
頭に深く痛みが走る
思考が低下して足が前に出せない……
視界が揺らぐ
あ、転ぶ
てか、
熱中症ってだけでこんなんになるっけ?
バタッ……!
やばい……急に眠気が
起きなきゃ
ポロちゃんに怒られちゃう
デルキラ様の隣に立つ自覚が足りないって
ズキッ
また痛み
頭の奥の奥を突き刺すような、そんな痛み
まったく、いつもこの人は脳天気なんだから
サリバンさんも大変そうだな……
バタッ……!
良かった、ちゃんと話はつけてくれてたんだ
それもそっか、私に何かあった時
先程感じた強い痛みも今は無い
ところであれはなんだったんだろう
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。