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第7話

6. 夢
17
2023/10/31 11:04
瑠璃るり
ごめんなさい...!
熱くなって...語っちゃいました...
陽向ひなた
いやいや、全然いいよ!
...すごい夢だね〜
瑠璃るり
まぁ...無理だとは思うんですけどね〜...
瑠璃は夢を語ったけれど、世界の考えをかえるだとか一般市民ができるわけないとハナから諦めていた。
あさひ
...
陽向ひなた
ん?旭?
もしかして、感極まっちゃった?笑
あさひ
あぁ、いや…そういうんじゃなくて…
陽向ひなた
旭は少し黙っていたが、すぐに話し始めた
あさひ
なんか…親父を思い出したんだよな
瑠璃るり
お父さん…?ですか
あさひ
うん
旭の顔が曇った。
あさひ
俺の親父も、瑠璃ちゃんと同じような夢があったんだよね。親父は夢を叶えるために、ずっと頑張ってた。
あさひ
詳しい理由は俺自身、聞いてないからあれだけど、親父SNSで炎上したんだよね。それが相当ストレスだったのか知らないけど、脳に影響が出て…
最終的に親父、自殺したんだ。
瑠璃るり
自殺…
陽向ひなた
そーだったんだ…
旭は泣きそうになる。
昔懐かしいお父さんを思い出したからだろう。
あさひ
あ、ごめん…!大丈夫!
瑠璃るり
いやいや…えーっと…あ、陽向さんそこの上から2つめのひきだしです…!
陽向ひなた
おけおけ。
引き出しからティッシュを出して旭に渡した
陽向ひなた
旭、泣いてるよ?
あさひ
嘘…ごめ…
陽向ひなた
仕方ないよ〜
思い出しちゃったんだから…
瑠璃は少し空気が重くなり、気まずさを感じていた
瑠璃るり
あの…お開きにします?
また、私もこれ読んでおきます
陽向ひなた
そうだね〜
じゃあ…また旭から連絡するから
瑠璃るり
はい
あさひ
なんか、ごめんね🙏
瑠璃るり
いえいえ、全然…
そういい、旭と陽向は瑠璃の病室を後にした
瑠璃るり
ふぅ…
瑠璃るり
(私が熱く語らなければ、あんなことにはならなかったのかな…)
瑠璃はどんどん暗いことを考えてしまう。
なんとか気持ちを切り替えて改めて自己紹介カードを見始めた
瑠璃るり
(旭さんも陽向さんも新聞会社で働いてるんだ…)
瑠璃るり
…え?
瑠璃は思わず声が出てしまった。
1人部屋なので気にすることはないが…


でも、気になってしまうだろう。
旭の目標のところには…
瑠璃るり
(親父の夢を叶える…
=私の夢と同じ…
=旭さんも同じこと思ってた…?)
陽向ひなた
あーあ残業かぁ〜
あさひ
なんか道連れになってる気分なんだけど
陽向ひなた
えぇ〜なんかごめんって
でも、もとを言えばいちお勤務時間に瑠璃ちゃんに会いに行ってるじゃん
あさひ
仕方ねぇじゃん
夜だと面会時間も絡むから……
陽向ひなた
…?
旭は病室を出てからずっと考えていた。

瑠璃が夢を話してくれた時には圧倒されすぎて言葉が出なかった。
だが今考えると瑠璃と旭の夢は同じということになる。
あさひ
(...聞いてみようかな)
陽向ひなた
旭?だいじょぶそ?
あさひ
え、平気
旭は今度、夢のことを聞いてみようと決意した

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