第4話

″いいヤツ
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2024/06/20 10:00
あなた「…………はぁ?」




ことは「おおっ、言うね」















彼の言っている言葉の意味が理解できず、首を傾げると、遥は続けて話す。



















桜「喧嘩しか取り柄がないど底辺の嫌われ者が……1番かけて喧嘩するなんて最高じゃねーか。まさに、クズの中のクズを決める戦い。オレにぴったりだ……」




















ことはがなんとも言えない顔をしている。

















クズの中のクズ。








遥は自分のことをそう言った。

















だけど、本当のクズは私たちのことなんて、見て見ぬふりをする。

















助けてもくれない、見てくれない、私の状況をわかってくれない。
















だから、遥はクズなんかじゃない。















そう言いたいけど、今言ったところで彼に届いてはくれないと、私の勘がそう言っている。














ことは「あー、だから学校明日からなのに制服着てんだ!ワクワクしちゃった?」













ことはは相変わらず、遥をいじめる……というより、いじるのが楽しいみたいだ。















なので、私も乗っかってみる。














あなた「楽しみなんだ〜!いいねぇいいねぇ」




桜「ちっ、ちげーしっ……これはあれだ……引っ越してきたばっかりで服がねぇーんだ!」




ことは「そーすかそーすか、楽しみっすよね学校生活……」




あなた「新しい生活に環境……それも喧嘩ができるなんて、今の遥にとったら、最高の環境っすよね??」




桜「てめぇら表出ろ……」

















すっかり怒ってしまった様子の桜に謝っていると、ご飯を食べ終わったらしい山じいが遥の後ろを通っていく。

















山じい「ことはちゃん、ごちそーさま。あなたちゃんもいつもありがとうね」




ことは「はーい。山じい、いつもありがとねー」




あなた「こちらこそ、いつもありがとう〜」


















そう言いかけて席を立った瞬間、私の肩は後方に引き寄せられる。











そして、うまくバランスをとって、真上を見てみれば、遥の姿。
















桜「おい、じいさん。荷物忘れてんぞ」













すると、山じいは慌てた様子で荷物を受け取り、帰って行った。















あなた「アンタ、いいヤツだね」




桜「アァ?」













山じいの対応が終わった、ことはは、桜の元へ雨を渡しに来る。














ことは「助かりました、ありがとうって」















すると、ことはからもらった飴を手にしながら、顔を真っ赤にさせる遥。















でも、ことはは慎重な面持ちで、腕を組んでいる。

















ことは「アンタに風鈴のてっぺんは取れない。絶対にね」




桜「はぁ?」




ことは「アンタはヒトリだから」





















そう告げた瞬間、桜は怒って出ていってしまった。



















あなた「……そんなこと言ってよかったの?」




ことは「うん……どうせ、後からわかることだから」

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