第3話

″てっぺん
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2024/06/19 10:00
オムライスをガツガツと食らう遥の横で、私もお腹が空いてきてしまった。

















だけど、今日はお金を持ち合わせていないし、何よりことはの付き添いでこの商店街にやってきただけなので、特に用もない。


















桜「この店って、テイクアウトできんの?」




ことは「は?できねぇーよ。テイクアウトだろ?できねぇーよ」




桜「っ、そうか」














なんだか残念そうにしている遥の姿を見て、私はニヤニヤと笑う。















あなた「テイクアウトしたいくらい美味しかったんでしょ?ちょーどいいじゃん、検討してみたら?」




ことは「うーん、そうなんだけどね。もうちょいしたら考えてみるよ」




あなた「うん!テイクアウトできるようになったら、私毎日そうするから!ね、遥」




桜「アァ!?うぅっ、うっせ」
















さっきからデレデレと顔を真っ赤にさせて、女の子に耐性がないらしい。
















すると、洗い物をしていた、ことはは急に、桜のことを見つめる。















ことは「それにしても、桜は変わったナリしてんのね。片側だけ色が違う」















そう言うと、眼光を鋭くする遥。














私もマジマジと見つめる。















本当だ、黒と白が綺麗に分けられてて、目の色もオッドアイというやつだろうか。














全然色が違う。















桜「……あ?何か文句」




ことは「すーげぇ、ビー玉みたい」




あなた「かっこいい……」

















素直に私たちが褒めていると、すごい音を立てて、後ろへのけ反る。















桜「あぁ!?やんのか!」




ことは「メンチ切ったわけじゃねぇよ」




あなた「喧嘩売ってるつもりないんだけど」

















なんか、いちいち喧嘩腰というか、なんというか。



















そのナリもあって、差別みたいなのを風鈴高校に来たのかと思っていたけど。
















桜「喧嘩にナリは関係ねぇ。だから、風鈴高校に来た」

















きっと、話はちゃんと聞いていないけれど。

















彼は、昔の風鈴の評判を聞いて、この学校に来たんだと思う。



















昔は風紀なんて言葉存在していないようだったし、喧嘩が日常。
























だけど、そんな彼は、昔よりも今の風鈴が合っている気がした。

























桜「オレは、そこでてっぺん取る」

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