水黄双子パロ
もちろん死ネタ
『光が死んだ夏』を参考にしてます。あんなに愛に溢れてないけど。
その日は鬱陶しくなるほど青く、目に染みる空がどこまでも続く日だった。
… こんな事を思っているとは彼は知らないだろうし、たとえ教えて理解を求めても、それが無駄であることは分かりきっていた。
そんなあの日も、彼は笑っていた。
…ああ、そう。ここでいう「彼」とは、双子の兄の事である。
蜂蜜色の瞳とふわふわとした癖のある髪、ぱあっと顔を輝かせて笑う兄は、なつくんやまにきとはまた違った雰囲気の美少年。
おまけに優しくて周りのことをしっかり見ることができて、少し天然で鈍感な部分もある王子様気質。好かれないわけがない、嫌われる要素のない『素敵な男の子』。
ただでさえ人数の少ないこの田舎の分校でも彼は人気者だった。
年上のらんくんとすっちーも、にこにこしてみこちゃんに接してて。
かといって、俺を見捨てるわけでもなくて。
みんなの優しさに甘えながらなつくんとまにきも加えて、だいたいこの幼馴染六人でいた。楽しかった。
けど、やっぱり駄目だと、最近ようやく気がついた。
俺がみんなと一緒にいられて、笑えて、楽しくいられたのは、全部みこちゃんがいたから。
みこちゃんが笑うから。みこちゃんが嬉しそうにするから。俺がみこちゃんと双子だから。これだけ。
俺のことは、『雨乃こさめ』のことは 誰も求めてなかった。
嫉妬と同時に納得もした。同じことを俺とみこちゃんが話しても、みこちゃんのほうがずっと魅力的で楽しい話に聞こえるし、同じ服を着ても同じ靴を履いてもみこちゃんの方が似合って見える。
羨ましくて妬ましくて、でも納得できてしまうこの格差が随分とまあ、嫌いだった。
だから、殺そうと思った。みことという人間の命を、完膚なきまでに壊してやろうと思った。
それ、煽ってる? と返すと、違うよ違うよと彼は慌てて弁解し出す。純粋なみこちゃんのことだ、どうせこさめが『物を大事にできる』とかいう意味で言ったんだろう。
本当は欲しいスニーカーだってあるけど、街まで遠いし高いから、母さんに言い出せないだけなのに。
そう言う些細なことですぐ謝ってにこって笑うとこ。
いい子すぎてほんま、腹立つ。
アブラゼミが五月蝿くて鬱陶しく思っていたあの木も、みこちゃんを連れ出す理由になったのだから、今だけは感謝できる。
半ば強引に連れ出したにも関わらず、ニコニコと鼻歌を歌いながら俺の前を歩くみこちゃんは馬鹿らしくて、ほんまにうざかった。
少し歩いて石垣と石垣の間にある、神社の近くの脇道。そこを少ししたところで、みこちゃんはそう言ってきた。
もう長い間整備されていないと言う、ほとんど潰れたと言っても過言ではない神社の石階段は確かに急だ。さらに、ここ数日の雨で少し湿っていて、足を滑りでもしたらそれまでだろう。
ここを通る危険性は分かっているけど、むしろそれを理解しているからこそ、ここを選んだのだ。
「な?」と、俺の目を見て問いかけるみこちゃん。
こさめの名前を出して心配しているように見えるけど、実際は「行かないほうがいい道を通る」ことに罪悪感があるだけというのを、俺が一番よく分かっている。
みこちゃんを無視して歩き出した。ジメジメとした空気を切り裂くように前に進んで、ちょっとの砂と土を踏みしめながら階段を降りていく。
うざい。うざい。うざい。うざい。うざい。うざい。うざい。
あともう少し、もう少し降りれば
そこでようやく歩みを止めて、みこちゃんの方へ勢いよく振り向いた。
そう言って、みこちゃんの手首を強くこちらに引き寄せた。
蜂蜜色の瞳が大きく見開かれる。
わかんないよね。わかんなくていいよ。
わからないで。大好き。
ごめんね。ほんと、こさって悪い人。
六人で会話した内容を、今思い出した。
あの頃はお前中身なさすぎだろとか、メンヘラとか、俺たちはお前のこと忘れねぇからとかいろいろ言われたけど、いまならわかる。
こさめちゃんは、あの時の俺の発言をちゃんと聞いてた。誰よりもしっかり聞いて、理解してた。
こさめちゃんは、俺を殺したかった。
ガツンと鈍い音が鳴って、その綺麗な青鈍色の髪色から赤い液体が流れていく。
こさめちゃんは全部理解ってたんだ。どうすれば俺を殺せるのか、ちゃんと知ってた。
だから、自分を殺すことで俺を殺した。
こさめちゃんの行動の意味を理解してもなお、こんな薄っぺらい謝罪しか出てこない。
ねぇ、君は、どうして俺を殺そうと思ったの?
それは君を殺してもなお、やらないといけないことだったの?
それとも、
……いや、わかんない。
わかんない。わかんなかった。
おれはみんなみたいに頭良くないし、こさめちゃんの全部を理解できないと思った。
だったらそれでいいじゃない。
ごめんね、大好き。ごめんね。
ほんとおれって、悪い人やな。
何を書いていたのか自分でも忘れました。誰かいい感じにリメイク待ってます。
https://odaibako.net/gacha/33029
余談なのですが、昨今の夢女子やオタク女子の間で流行している(らしい。作者の認識)お題ガチャというものを作ってみました。
ファンタジー要素のある相棒のガチャとなっております。キャラクターの名前は自分で設定できますが、もちろん私は紫桃のつもりで作ってます。きゃぴ。
これの宣伝のためにこれ更新したまであるので、スクショ撮ってリンクコピーするなり、自力で打ち込むなり、お題ガチャサイトで「隣で笑う相棒」って調べるなりしてぜひ覗いてみて欲しいです。
よければ感想も聞かせてください。いいですか、あなたに言ってるんですよ、そこの紫桃至上主義。
以上、宣伝でした。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。