
神リクありがとうございます
元吹奏楽部副部長に任せてください(過去の栄光)
※ 紫⇆桃←黄
吹奏楽部パロ
書き終えた後の追記
駄作‼️‼️‼️
好きな人がいる。
全部が好きで、大好きで、どれだけ頑張っても届かない人がいる。
とある日の放課後、部活中のこと。
部長のらんらんが珍しくおれに話しかけてきた。
らんらんはそう言って、手に握っていた紙を持っておれに身体を寄せてきた。
自分より少し背が低いが故に見える彼の横顔があまりにきれいで、基礎練用に握っていたスティックに思わず力が入る。
らんらんが今持っている配置図には、木管楽器のクラリネットとサックスのパートの椅子が入っていなかった。
おれが疑問を口に出すと、らんらんはピシッと動きを固め、片方だけ長い襟足をくるくると指に巻きつける。
おれの一言に、遠い目をしながららんらんは明後日の方向を見つめた。こさめちゃんの性格を知っている自分も少し……いや、かなり同情する。
部長ってほんま大変やなあ。おれやったら半日で廃部になってたかも。
おれの一言に、らんらんはにこっと笑って音楽室へと駆け足で戻っていく。
同じパーカッションパートのすっちーが、にまにまと笑いながらそう話しかけてきた。
おれの答えに少し不満そうな顔をしながらも、すっちーは納得してくれたようで、譜面台の準備に取り掛かっていった。
もうすぐ町内の市民祭がある。夏のコンクールを終えたおれたち三年生にとって、これが最後の舞台。
もちろん金賞も銀賞もないけど、できるかぎりやり切りたい。
ぺちっと自分の頬を叩き、後輩の方へと向かった。
打楽器も全て運び終わり、管楽器がチューニングを始めようとした時、その二人の大声が音楽室に響き渡った。
どうやらまた、部長副部長の喧嘩が始まったらしい。
部長のらんらんと副部長のまにきは幼馴染。二人とも部になくてはならない存在……なんだけど、
二人の喧嘩がヒートアップしてきて、睨み合っていたまにきとらんらんのおでこが今にもぶつかりそうな程に火花を散らしていたところで、すっちーがストップをかけた。
少しどんよりとしていた空気が、ぷんすかと怒るすっちーとふざけたこさめちゃんとなっちゃんのツッコミで柔らかくなる。
素直じゃない二人もお互いに謝って、もうすっかり元通りになる。
なっちゃんの言葉で音楽室が笑いに包まれた。
けらけらと楽しそうに笑う後輩の後ろの景色が、ちらっと目に映る。
仲直りした後も軽口を叩き合う二人の会話は、こちらには聞こえない。
らんらんの楽器と、まにきの楽器と、俺の目の前にある打楽器、全部に音が吸われておれのとこにはこれっぽちも届かない。
頭の上にはてなを浮かべるすっちーから目を逸らす。でもその先にはいつも、らんらんがいるから考え事は終わらない。
俺には見せない、柔らかな笑みを浮かべて話すらんらん。
部長としてじゃなくて、ただの高校生としてそこに座ってるらんらん。
やっぱりもうちょっと、唇分厚かったらよかった。
そしたら隣にいられたし、色付きのリップクリームとか洒落たもの持ち歩けたし、あわよくばキスだって恥ずかしくなかったのに。
もうちょっと君の隣に、ちゃんといられたらよかったのに。
何度そう思っても、どれだけこっちが好いていても。
いるませんせーじゃないおれじゃ、あまりに遠すぎるらんらんまで、数多の音が邪魔をして届くわけがなかった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。