第4話

[きみだけが知らない]紫 × 桃 + 黄
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2026/01/24 14:14 更新

神リクありがとうございます
元吹奏楽部副部長に任せてください(過去の栄光)


※ 紫桃←黄

吹奏楽部パロ




書き終えた後の追記
  駄作‼️‼️‼️



 好きな人がいる。


 全部が好きで、大好きで、どれだけ頑張っても届かない人がいる。


# 桃
み〜ことっ
# 黄
……うわぁっ!?
# 黄
うぇ、らんらん!? え、なぁに!?
# 桃
そんな驚く?www

 とある日の放課後、部活中のこと。
 部長のらんらんが珍しくおれに話しかけてきた。
# 黄
そっちが急に話しかけてくるから……!
# 桃
あはは、ごめんごめん。ちょっと相談したいことあってさ
# 桃
来週の市民祭の、楽器の配置。パーカッションはこれが最終でいいんだっけ?

 らんらんはそう言って、手に握っていた紙を持っておれに身体を寄せてきた。
 自分より少し背が低いが故に見える彼の横顔があまりにきれいで、基礎練用に握っていたスティックに思わず力が入る。
# 桃
ここまでが金管楽器で〜、弦楽器がこの辺かな。みこと、これで大丈夫そう?
# 桃
……みこと?
# 黄
あ、うん! これでいける!!
# 黄
……あれ? 木管は?

 らんらんが今持っている配置図には、木管楽器のクラリネットとサックスのパートの椅子が入っていなかった。
 おれが疑問を口に出すと、らんらんはピシッと動きを固め、片方だけ長い襟足をくるくると指に巻きつける。
# 桃
スゥゥゥ……その、木管楽器の配置はこさめが担当だったんだけど……
# 桃
……まだ出してない
# 黄
……期限過ぎてるのに?

 おれの一言に、遠い目をしながららんらんは明後日の方向を見つめた。こさめちゃんの性格を知っている自分も少し……いや、かなり同情する。

 部長ってほんま大変やなあ。おれやったら半日で廃部になってたかも。
# 桃
今なつが死ぬ気でやらせてる。こさめが提出し次第、この配置で合奏やるってさ
# 黄
あはは……わかった。じゃあそろそろ譜面台用意しちゃうね
# 桃
ん、あんがと!
 おれの一言に、らんらんはにこっと笑って音楽室へと駆け足で戻っていく。
# 桃
なつぅ〜、こさめ終わったぁ〜?
# 黄
 …………



# 黄
…………かわいぃぃ……
# 緑
相変わらず好きだねぇ、我らが部長のこと
# 黄
おゎ、すっちー!

 同じパーカッションパートのすっちーが、にまにまと笑いながらそう話しかけてきた。

# 緑
裏で悶えるくらいならさっさと告っちゃえばいいのに。それか、おれを選んでくれてもいいんだよぉ?
# 黄
なっ……もう、からかわんといて!
# 黄
おれは見てるだけでいーの!
どうせあと少しで引退なんだし
# 緑
ふーん……そっか。ま、後悔しない選択ができると良いね

 おれの答えに少し不満そうな顔をしながらも、すっちーは納得してくれたようで、譜面台の準備に取り掛かっていった。

みこと先輩、もうそろそろ合奏ですかー?
# 黄
あ、うん! 譜面台と楽器、準備しちゃおうか!
はーい

 もうすぐ町内の市民祭がある。夏のコンクールを終えたおれたち三年生にとって、これが最後の舞台。
 もちろん金賞も銀賞もないけど、できるかぎりやり切りたい。

# 黄
(そのあとは受験もあるし、恋愛にうつつ抜かしてるばあいじゃ、ない!)

 ぺちっと自分の頬を叩き、後輩の方へと向かった。

# 赤
そんじゃ、チューニングB♭からやります
# 赤
さんっ、は______
# 紫
いっってぇな!!!
# 桃
いっった!!?!?


 打楽器も全て運び終わり、管楽器がチューニングを始めようとした時、その二人の大声が音楽室に響き渡った。

# 水
はじまった〜
# 黄
??



# 紫
おっっまえな、急に足蹴ってくんなよ!!
# 桃
そっちだってその足で俺の足踏んできたじゃん! いるま今、俺のユーフォ踏みそうになってたんだよ!?


 どうやらまた、部長副部長の喧嘩が始まったらしい。

 部長のらんらんと副部長のまにきは幼馴染。二人とも部になくてはならない存在……なんだけど、

# 黄
(ほぼ毎日ケンカがしてるんよなぁ……よう飽きひんよな、ほんまに)


# 紫
十分気をつけてたし、一言かければそれでいいだろ!? つか、チューバはでかいから周り見えづれぇの!
# 桃
足元注意するのは楽器関係なく当然でしょ!? あーそれともあれか、身長168センチの副部長さんは楽器持ってたら足元見えないんだっけぇ!?
# 桃
ちっちゃいおててでおっきなチューバ運んでるもんね、大変大変〜!!ははは!!!
# 紫
んだとクソ前髪ピンク……お前だって自分の楽器が危ないからってすぐ手出すとかまじこっわ、さすが頭までピンクでお花畑のバカは何にも考えてないんでちゅね〜
# 桃
はぁ!!?
# 紫
やんのかこの!!
# 緑
二人ともすとぉっっぷ!!

 二人の喧嘩がヒートアップしてきて、睨み合っていたまにきとらんらんのおでこが今にもぶつかりそうな程に火花を散らしていたところで、すっちーがストップをかけた。
# 桃
……すち……
# 緑
ちょっとぉ、毎日毎日ケンカするのやめてって言ってるでしょぉ
# 緑
まず、らんらんはいくら自分の楽器が危ないからって蹴らない!
# 緑
いるまちゃんがそれでこけちゃってたら大惨事!
# 桃
……はい
# 紫
ほれみろ
# 緑
あとねぇ、いるまちゃんは楽器踏みそうになったのをちゃんと謝る! 
# 緑
よそ見してたのバレてるからね!!楽器って壊したら何十万もするっていつも後輩にも言ってるんだからぁ、もう
# 紫
……ハイ
# 桃
自分だって怒られてんじゃん
# 水
二人とも〜、分かったらなつくんとみんなにごめんなさいしなさーい!
# 水
チューニング止めてるんだからぁ、もぉ♡
# 赤
こさめのそのキャラはなんなん?

 少しどんよりとしていた空気が、ぷんすかと怒るすっちーとふざけたこさめちゃんとなっちゃんのツッコミで柔らかくなる。

# 桃
……ごめん
# 紫
……別に。おれも

 素直じゃない二人もお互いに謝って、もうすっかり元通りになる。

# 赤
はい、じゃあ気を取り直してチューニングすんぞ
# 赤
1、2年、人の足を蹴らずに楽器も踏まないように〜

 なっちゃんの言葉で音楽室が笑いに包まれた。
 けらけらと楽しそうに笑う後輩の後ろの景色が、ちらっと目に映る。

# 紫
〜〜、〜〜?
# 桃
〜! 〜〜wwww
# 桃
〜〜〜〜
# 紫
〜〜、〜〜〜!



# 黄
……
# 黄
(……何話してるんだろ)

 仲直りした後も軽口を叩き合う二人の会話は、こちらには聞こえない。

 らんらんの楽器と、まにきの楽器と、俺の目の前にある打楽器、全部に音が吸われておれのとこにはこれっぽちも届かない。
# 黄
唇がもうちょっと分厚かったら、管楽器吹けてたかなあ
# 緑
どうしたの、急に
# 黄
いや、べつに

 頭の上にはてなを浮かべるすっちーから目を逸らす。でもその先にはいつも、らんらんがいるから考え事は終わらない。


# 桃
……?
# 桃
…〜……! www


 俺には見せない、柔らかな笑みを浮かべて話すらんらん。
 部長としてじゃなくて、ただの高校生としてそこに座ってるらんらん。


 やっぱりもうちょっと、唇分厚かったらよかった。
 そしたら隣にいられたし、色付きのリップクリームとか洒落たもの持ち歩けたし、あわよくばキスだって恥ずかしくなかったのに。


# 黄
……はぁぁ……
# 黄
やなやつ……


# 赤
えっと〜……、これでいけるか。パーカッション〜、合奏入りまーす
# 緑
……はぁーい
# 緑
みこちゃん
# 黄
……うん



 もうちょっと君の隣に、ちゃんといられたらよかったのに。





 何度そう思っても、どれだけこっちが好いていても。


 いるませんせーじゃないおれじゃ、あまりに遠すぎるらんらんまで、数多の音が邪魔をして届くわけがなかった。

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