「久しぶりやなぁ、ショッピ!」といつもキャンキャン五月蝿い隣にいる犬は小根島 孝行である。
そう苛つきながら言うと先輩は懐かしい笑い声を出し、「お前は変わらんなぁ」と一言。
悪気なく言っているんだろうけれども一気に苛つき度が上がる。
アカン。このクソといたら自分が壊れる。
そう破裂寸前の頭が嘆く。
よし。逃げよう。
そう考えると足が勝手に動き、正門を潜る。
先輩の声が聞こえたが無視しよう。
どんどん進んでいくと人だかりが見える。
おそらくクラス替えの表なのだろう。
1年生と大きく書かれた看板にはクラス表が見えないほどの人だかり。
精一杯背伸びをするが平均的な身長の俺やったら全然見えない。
空くまで待つか。
先程まで爆弾しそうだった頭が呟き、後退りをしようと考えた。
後ろから声を掛けられる。
あ、俺邪魔やったか。
すみませんと小声で謝りながら後ろに下がった。
よく見上げると身長が180を超えるぐるぐる眼鏡をつけた人がいた。
申し訳ないが、やはり見てもらうほうが効率がいいやろうな。
いつも通りの小声で話しかけると大丈夫ですという優しい声が帰ってきた。
名を名乗ると彼の視線は看板の方に向いた。
感謝の気持ちを述べながら名前を聞くと、彼は言ってませんでしたねと笑った。
チーノ。その言葉を飲み込み「おっけ。チーノね。」と言うと彼は何故かくすぐったそうに笑った。
そんな顔すんなや。こっちが恥ずなる。
階段の方を指差すとチーノは素直に頷いた。
RPGとかだと下に「ショッピは友達を手に入れた!!」とか書いてるんやろな。
クソどうでもいいことだけど。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。