電車に揺られながら、暗くなってしまった外の景色を眺める。
あの後、お互い頑張る分野は違うけど、結果個人の力を高めれるからいいねって話で終わった。
7人になった時、もっといいものができるよって。
でも、本当にそうなんやろうか。
本当に、
7人でデビューできるんやろうか。
ここ最近を振り返ると、そういえばいろんな人が見に来てた。
舞台には大勢の関係者が見に来てたし、
少クラとか収録の時でも、マネージャーさんが「もう嫌や!」って愚痴こぼすほど頻繁に上の人が顔を出してた。
レッスンでも、僕らの知らない人が顔を出しては、誰かを指さしながら何かを話してた。
何かが動き出している気がする。
僕らにはどうしようもない何かが。
あの日、ぎゅっと結んだ小指を、
反対の手でそっと握った。
7人一緒がいい。
7人が一緒じゃないなら、
意味がないから。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!